魚を釣ったとき、「同じ種類なのに、あの人の魚の方が美味しい」と感じたことはありませんか。
実は魚の味を決める大きな要素は、釣った後の処理でどれだけATPを守れるかにあります。
本記事では、魚を劇的に美味しくする「即締め」「海水で血抜き」「海水氷で急冷」
という3つの流れを、科学的な理由とともに解説します。
なぜATPが魚の美味しさを左右するのか?
魚の筋肉中には「ATP(アデノシン三リン酸)」という物質が含まれています。
これはエネルギー源であり、死後の身質の変化に大きく関わります。
・ATPが残っている魚 → 適度に弾力があり、旨味成分(イノシン酸)に変化していく
・ATPを消耗した魚 → 身がパサつき、味が落ちる
つまり、釣った直後に魚を暴れさせるとATPを大量に使い果たしてしまい、美味しさが大きく損なわれるのです。
美味しさを守る3つの処理
① 即締めで暴れさせない
魚を釣り上げたら、まず暴れさせないことが重要です。
脳や延髄をピンポイントで締める「脳締め」や「神経締め」を行うと、ATPの消耗を最小限にできます。
② 海水で血抜き
血が残っていると生臭さの原因になり、身持ちも悪くなります。
ここで重要なのが「真水」ではなく「海水」を使うこと。
・真水 → 浸透圧の違いで身がふやけ、旨味が逃げる
・海水 → 魚の体液に近い塩分濃度なので、身を傷めず効率よく血抜きできる
③ 海水氷で急冷
最後に、海水で作った氷(海水氷)を使って魚を急冷します。
海水氷は0℃よりも低い温度を保てるため、魚を素早く冷却できます。
しかも、真水氷のように身をふやけさせることもありません。
この処理を行うだけで、同じ魚でも**「2割以上美味しくなる」といわれています。**
まとめ:釣りの本当の勝負は「釣った後」
多くの人は「釣りの上手さ=魚の美味しさ」と考えがちですが、実際には違います。
魚の美味しさは釣った瞬間よりも、その後の処理で決まるのです。
・即締めでATPを守る
・海水で血抜きする
・海水氷で急冷する
この3つを徹底するだけで、家庭で食べる魚が料亭クラスの美味しさに変わります。


