堤防や河口でよく見かけるチヌ(黒鯛)やボラ。
釣り上げたときに「黒ずんだ汚い色の個体」と「ピカピカの銀色をした美しい個体」が存在することに気づいた方も多いでしょう。
この色の違いは、単なる個体差ではなく「生息環境・体表の構造・ホルモン・行動」に深く関係しています。
本記事では、AIの科学的知見をもとに、なぜ同じ魚なのに体色が変化するのかを徹底解説します。
魚の体色はどう決まるのか?
魚の体色は 「色素胞(しきそほう)」 と呼ばれる特殊な細胞によって調整されています。
色素胞にはいくつかの種類があり、それぞれが伸縮することで体表の色が変化します。
-
黒色色素胞(メラノフォア) → 黒や茶色の色を発現
-
黄色色素胞(キサントフォア) → 黄色を発現
-
虹色素胞(イリドフォア) → 光を反射し銀色に輝く
-
白色素胞(ルコフォア) → 白色を作る
これらの細胞が環境や体調に応じて働くことで、魚の色は大きく変化します。
チヌ(黒鯛)の体色変化
河口や濁りのある環境では「黒ずんだ体色」
チヌは汽水域や河口に多く、泥底や濁り水で生活することもあります。
このような環境では、体色を黒くして背景に溶け込むことで外敵から身を守り、同時に獲物に気づかれにくくします。
黒っぽいチヌは「環境に適応したカモフラージュカラー」といえるのです。
沖合や透明度の高い海では「銀色の体色」
一方、外洋に近い透明度の高い海域では、チヌは銀色の輝きを帯びます。
これは虹色素胞の働きによって光を反射し、周囲の明るい水中環境に同化するため。
銀色に輝くチヌは、澄んだ環境で生きる「オーシャンスタイル」の適応型といえるでしょう。
ボラの体色変化
黒ずんだボラ
ボラは河川や港湾部などの栄養豊富な水域にも生息します。
こうした環境は濁りや有機物が多く、水質の影響でボラの体色がくすんで黒っぽく見えます。
加えて、ストレスを受けたボラは黒色色素胞が拡張し、より暗い体色になります。
銀色に輝くボラ
一方で、外洋やきれいな沿岸部で見られるボラは全身が銀色に輝きます。
これはイリドフォア(虹色素胞)が強く働き、光を鏡のように反射している状態。
銀色のボラは水中で周囲に溶け込み、群れで泳ぐと光の乱反射で外敵から身を守る効果を発揮します。
科学的に見た体色変化の要因
魚の色の違いには、以下の要因が組み合わさっています。
-
環境(背景色・水質・透明度)
-
濁った水 → 黒っぽく
-
澄んだ水 → 銀色に
-
-
行動(カモフラージュ vs 群れ行動)
-
岩や泥底でじっとする → 黒化
-
回遊や群泳 → 銀化
-
-
ストレスやホルモン作用
-
捕獲直後や興奮時 → 黒色が濃くなる
-
落ち着いた状態 → 本来の銀色に戻る
-
-
成長や季節
-
幼魚 → 銀色が強い
-
成魚や産卵期 → 黒っぽさが増すこともある
-
釣り人目線での実用知識
1. 黒いチヌやボラが釣れる場所
・河口や湾内、濁りのあるポイント
・港湾部や底が泥質のエリア
2. 銀色のチヌやボラが釣れる場所
・外洋に近い磯場や透明度の高い砂浜
・潮通しの良い沖合
3. 食味への影響はあるのか?
「黒っぽい個体は泥臭いのでは?」と考える人もいますが、実際には体色と味は直接の関係はありません。
味に影響を与えるのは 食べているエサ と 水質 であり、体色そのものが臭みの原因ではありません。
まとめ
チヌ(黒鯛)やボラに見られる「黒ずんだ汚い色」と「銀色に輝く色」の違いは、科学的に見ると 色素胞の働きと環境適応 によるものです。
-
濁り水や河口 → 黒っぽい体色
-
澄んだ海や外洋 → 銀色の体色
これはカモフラージュや外敵回避のための進化であり、釣り場の環境を反映した姿でもあります。
釣り人にとっては、この知識を理解することで「どんな場所にどんなチヌやボラがいるのか」を予測するヒントになります。
今後の釣行では、魚の体色を観察しながら釣りをすると、新しい発見が得られるでしょう。


