イカの味はどれも同じと思っていませんか?
実は、イカの種類によって「うま味成分の量と質」が大きく異なるのです。
今回は、
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ケンサキイカ(アカイカ)がなぜ最もうまいのか?
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アオリイカやモンゴウイカ、スルメイカとの違い
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その差を生む「エサ」や「生活環境」と「体のつくり」
について、科学的な視点と釣り人・料理人の感覚を交えつつ解説します。
1. うま味成分の主役は「遊離アミノ酸」
イカの「うま味」を決定づけている主成分は以下のとおりです。
| 成分名 | 味の特徴 |
|---|---|
| グルタミン酸 | 昆布のうま味 |
| イノシン酸 | 魚・肉のうま味 |
| タウリン | 甘み+コク |
| グリシン | やさしい甘み |
| アラニン | 旨み+後味のよさ |
| ベタイン | 独特な甘みとコク |
この中でケンサキイカはグリシン、アラニン、タウリンの含有量が極めて高く、他のイカに比べて濃厚で芳醇な味わいが生まれます。
2. うま味の王者「ケンサキイカ(アカイカ)」
●高級寿司店が指名買いする理由
ケンサキイカは、
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刺身にすると「ねっとり」した濃厚な甘み
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焼いても煮ても風味が飛ばない
といった特徴があり、最もうま味成分が多いイカとして知られています。
●なぜそんなにうま味が強いのか?
その秘密は「エサの質」と「筋肉構造」にあります。
① 高級魚ばかりを捕食
ケンサキイカは小型回遊魚(カタクチイワシ・アジ・サバ)を好んで捕食します。これらはイノシン酸が豊富な魚で、それを常食することで体内のアミノ酸濃度が高くなるのです。
② 脂肪が少なく、うま味が凝縮
ケンサキイカは脂質が少なく、うま味成分が水に溶けず保持されやすい構造。このため、口に入れた瞬間に甘みが広がります。
3. 第二位:アオリイカの上品なうま味
●高級和食に欠かせない品格のある味
アオリイカは、その透き通った身と上品な甘みで人気です。
① 貝類・甲殻類中心の食生活
アオリイカは主に、
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小魚
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クルマエビ
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シャコ
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イガイやカメノテなどの貝類
など、うま味成分を多く含む生物を食べています。
② 低ストレスな環境
アオリイカは沿岸の岩礁域に多く生息し、ストレスが少ない環境でじっくりと育つため、身質が柔らかく、うま味もゆっくりと蓄積されます。
4. モンゴウイカはうま味が劣る?
モンゴウイカは見た目がゴツく、肉厚ですが、うま味のバランスはやや平坦といわれます。
●うま味が弱い理由
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生息域が広く、食性が雑食
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ゴカイ、カニ、小魚、貝類をまんべんなく食べる
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餌の質にばらつきがあり、アミノ酸の蓄積が少ない
●メリットは火を通しても固くなりにくい
うま味成分はやや控えめですが、加熱してもプリっとした食感が持続するため、天ぷらや炒め物に重宝されています。
5. スルメイカはなぜ最下位?
スルメイカ(マイカ)は日本で最も多く消費されるイカですが、うま味成分の総量は最も少ないといわれます。
●大きな理由は「エサの乏しさ」
スルメイカは、
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プランクトン
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小型の甲殻類
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小魚(カタクチイワシなど)
を食べますが、回遊性が強く、食事の量も質も安定しないのが特徴です。
●干して初めて真価を発揮
「スルメ(干物)」にすることで、
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水分が抜けてうま味が凝縮
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アミノ酸が変性し甘みに変化
し、ようやくうま味が強調されるのです。
6. イカのうま味差は「何を食べるか」で決まる!
ここまでをまとめると、イカのうま味の差は主に以下の要因によって生まれています。
| イカの種類 | 主なエサ | うま味成分(主) | 備考 |
|---|---|---|---|
| ケンサキイカ | アジ・イワシなど小魚 | グリシン・アラニン・タウリン | 極上の甘み。最高評価 |
| アオリイカ | エビ・カニ・貝類・小魚 | グルタミン酸・タウリン | 上品な甘みと舌触り |
| モンゴウイカ | 雑食(ゴカイ・小魚・貝) | 平均的 | 加熱調理向き |
| スルメイカ | 小魚・プランクトン中心 | 少なめ | 干物で真価を発揮 |
7. 料理に合わせて「イカを選ぶ」時代へ
これからは、「どのイカが安いか」ではなく、
「どの料理にどのイカが最も合うか?」
を意識して選ぶことで、より一層イカの魅力を楽しめます。
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刺身や寿司なら → ケンサキイカ・アオリイカ
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揚げ物や炒め物なら → モンゴウイカ
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干物やスルメなら → スルメイカ
まとめ:イカのうま味は“エサ”と“生き方”で決まる
「イカの味は同じ」と思っていた方も、これを機にイカの奥深さに気づいたのではないでしょうか?
最もうま味成分が豊富なケンサキイカは、エサが豊富で筋肉質な体を持つため甘みが強く、料理人の間でも評価が高いのです。
これからは、ぜひイカの種類を意識して選び、釣って、食べて、違いを楽しんでみてください。


