🐟 はじめに:
「魚が釣れなくなった」「昔ほど市場に魚が出回らない」。
近年、漁業者や釣り人からこんな声をよく耳にします。
その背後にあるキーワードこそが「乱獲(らんかく)」です。
しかし、乱獲とは具体的にどれくらいの量を指すのか?
そして、そのうちのどれだけが実際に食べられず捨てられているのか?
今回はこの疑問に、データと科学をもとにお答えします。
📊 世界の乱獲の実態とは?
🌍 国連の推計によると…
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世界の海洋魚資源の**約35%**が「持続不可能な水準で漁獲されている」
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**過剰漁獲(Overfished)**の状態にある魚種は年々増加傾向
例:クロマグロ、ウナギ、スルメイカ、アカウオなどはすでに危機的状況
さらに、日本近海も例外ではありません。
🗾 日本の近海でも深刻な乱獲状況
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水産庁の2023年データでは、漁獲可能量を超える資源圧力がかかっている魚種は全体の約4割以上
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「資源が中位または低位」とされた魚種は60種以上
🔻 具体例
| 魚種 | 状況 |
|---|---|
| マダラ | 北海道〜東北で激減中 |
| アジ | かつての半分以下の漁獲量 |
| イワシ・サンマ | 回遊パターンの変化+乱獲で極端な不漁 |
🗑️ 乱獲された魚はすべて利用されているのか?
答えはNOです。
大量に捕られた魚の一部は「食用以外の用途」や「そのまま廃棄」されている実態があります。
📦 廃棄される魚の実態(フードロス)
📉 FAO(国連食糧農業機関)の報告:
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世界で水揚げされた魚介類の約35%が食用に使われず廃棄
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その主な理由:
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サイズが小さすぎて価値が低い
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傷や網焼けによる品質低下
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水揚げ現場や流通時の冷却不足
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相場が合わず「捨てた方が安い」という市場構造
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📉 日本国内でも…
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一部の底引き網漁では、漁獲された魚の2〜3割が現場で海に投棄されているケースも。
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鮮度保持が間に合わず、市場に出る前に腐敗→廃棄という事例も多発。
🧪 AIが試算:どれくらいの魚が無駄になっているか?
仮に日本で年間200万トンの魚介類が水揚げされるとして…
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廃棄・未利用:約40〜60万トン(20〜30%)
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この量は、日本人1人あたり年間50〜60食分の魚が消えている計算になります。
❓なぜこんなにも魚を捨ててしまうのか?
1. 漁法が一括大量捕獲型
→ 魚種やサイズを選ばず「ごちゃまぜ」で獲れるため、小型や雑魚が混じる
2. 価格優先の市場原理
→ 安く売れない魚は廃棄対象に
3. 加工・冷凍インフラの未整備
→ 特に地方の港では、設備不足により活用できず腐敗・破棄に至る
🍽️ 釣り人や消費者にできること
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小さな魚はリリースする意識を持つ
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未利用魚を活用するレシピを知る(例:から揚げ・干物など)
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水産フードロス問題を「自分ごと」として捉える
📝 まとめ:数字で見る魚の乱獲と廃棄
| 内容 | 数値・割合 |
|---|---|
| 世界の魚資源の乱獲率 | 約35% |
| 日本近海で持続不能な魚種率 | 約40〜45% |
| 廃棄・未利用の魚割合(世界平均) | 約35% |
| 日本の水産フードロス試算 | 年間40〜60万トン(推定) |
🧠 最後に
海の資源は無限ではありません。
釣り人、消費者、そして社会全体が「必要な分だけ捕り、すべて活かす」という意識を持つことが、これからの魚との付き合い方です。


