海岸の磯遊びや潮干狩りで見かける小型の巻貝の中に、「アナゴ」と呼ばれる貝がいます。
「え?アナゴって魚じゃないの?」と驚く方も多いでしょう。
実は、この「アナゴ」という名前、地域によってはトコブシに似た小型のアワビの仲間を指すことがあります。
今回は、この紛らわしい「アナゴ貝」について、釣り人や磯遊び初心者にもわかりやすく徹底解説します。
「アナゴ」と呼ばれる貝の正体
・正式な学術名はありません(地方名・俗称)。
・分類としてはトコブシ(トコブシ科)やアワビ(アワビ科)と同じ腹足類の仲間です。
・特に和歌山・南紀地方や紀伊半島、伊豆半島の磯場で「アナゴ」と呼ばれることがあります。
ほとんどの場合、**「トコブシの小型個体」や「トコブシに非常によく似た別種」**を指しています。
外見は非常にトコブシに近く、殻に開いている孔(あな)の数や模様などでわずかに違いがあります。
トコブシとの違い・見分け方
| 特徴 | トコブシ | アナゴ(俗称) |
|---|---|---|
| 殻の大きさ | 5〜8cm程度 | 3〜5cm程度(小型が多い) |
| 殻の孔(あな)の数 | 5〜7個 | 3〜5個と少なめのことが多い |
| 殻の色合い | 茶色〜黒系 | 茶褐色・灰色系でやや地味 |
| 殻の厚み | やや厚め | やや薄い傾向 |
| 生息場所 | 潮間帯の岩場全体 | 潮だまり・岩陰などやや奥まった場所 |
※ただし厳密な種分類は難しく、専門家でも区別がつきにくいことがあります。
食べられるの?
はい。
基本的にはトコブシと同じく食用可能です。
・刺身
・煮付け
・壺焼き
・酒蒸し
など、トコブシと同じように美味しくいただけます。
ただし、小型の個体が多いため、まとめて数を獲らないと食用には少々物足りないかもしれません。
採取の際の注意点
・各都道府県で漁業権や採取規制が設定されています。
・アワビ・トコブシ類に準じて禁漁期間や採取サイズ制限が設けられている場合が多いです。
・特に和歌山県や三重県などでは、遊漁でも**「潜水採取は禁止」**など厳しいルールがあります。
無許可採取は漁業法違反となる場合もあるので、必ず事前に確認しましょう。
なぜ「アナゴ」と呼ばれるのか?
はっきりした語源は不明ですが、
・穴(孔)のある貝だから「アナゴ」
・殻にあいた穴(呼吸孔)が特徴的なので名付けられた
・地方の漁師言葉・磯遊び文化の中で自然発生した呼称
などが考えられます。
※魚のアナゴ(穴子)とは直接の関係はありません。
磯遊びの面白さは「名前の多様性」にもある
磯場で見つけた小さな巻貝。
同じ貝でも「トコブシ」「アナゴ」「トコイシ」など、地域や人によって呼び方が変わります。
こうした地方名のバリエーションも磯遊びの醍醐味です。
ただし、食用・採取の可否は自己判断せず、ルールを守って楽しみましょう。
まとめ
・「アナゴ」とはトコブシに似た小型の貝を指す地方名。
・正式な種名ではなく、主に和歌山や伊豆地方の俗称。
・食用可能だが採取規制には注意。
・磯遊びの際に見つけたら観察してみよう!

