ウミガメ。
その優雅な泳ぎは、多くの人の心を癒してくれます。
世界中の海で暮らしていますが、実は「食用」として扱われる国もあれば、完全に保護される国もあります。
今回は「ウミガメは食べるの?」「日本ではなぜ食べないの?」というテーマで、詳しく解説していきます。
世界ではウミガメを食べる国が今もある
ウミガメを食べる文化は、実は古くから世界中に存在しています。
・太平洋の島々(ミクロネシア・ポリネシア・グアムなど)
・カリブ海沿岸(ホンジュラス・ニカラグア・ベリーズなど)
・東南アジアの一部(インドネシア・フィリピンなど)
・中南米の一部(コロンビア・エクアドルなど)
これらの地域では、古来よりウミガメは貴重なたんぱく源であり、祭事料理や伝統食文化の一部として利用されてきました。
特にカリブ海沿岸では「スープタートル(タートルスープ)」という料理が有名です。
これはアオウミガメを使ったスープで、高級料理として知られてきました。
ウミガメの食用文化の背景
ウミガメを食べる文化が残る背景には、いくつかの理由があります。
・古代からの伝統文化の継承
・離島などで他の食料確保が難しいため
・高たんぱく・高脂肪な貴重な栄養源
・特定の儀式や祝祭での重要な食材
地域によっては「ウミガメを獲る権利」が部族やコミュニティに認められているケースもあります。
しかし世界的にはウミガメは絶滅危惧種
一方で、ウミガメの多くは国際的に絶滅危惧種に指定されています。
・アカウミガメ
・アオウミガメ
・タイマイ
・ヒメウミガメ
・オサガメ
・ケンプヒメウミガメ
これらはワシントン条約(CITES)で国際取引が厳しく制限されており、ほとんどの先進国では捕獲・消費・販売が全面禁止です。
日本ではなぜウミガメを食べないのか?
実は、日本でも古代から近世にかけて一部地域ではウミガメを食べていた記録があります。
・紀伊半島
・奄美諸島
・沖縄
・小笠原諸島
こうした地域では、アオウミガメの肉や卵を食べる文化がありました。
しかし現代の日本では、ウミガメを食べる文化はほぼ消滅しています。
その理由を整理してみます。
① 法律で厳しく規制されている
・ワシントン条約(CITES)加盟国
・種の保存法
日本でもウミガメ類は原則捕獲・販売・飼育が禁止。
研究・文化目的の特例を除き、一般人が食用目的で獲ることはできません。
② 環境保護意識の高まり
海洋環境の悪化、個体数の減少、産卵地の減少などで、ウミガメは「守るべき生き物」として定着しています。
食べるという発想自体がなくなってきました。
③ 食文化の変化
現代日本は食の多様性が広がり、ウミガメを食べる必要がなくなりました。
他にいくらでも高品質な魚・肉が手に入ります。
リスクのあるウミガメをあえて食べる文化的必要性が消えたのです。
もし食べるとしたら?食味は?
参考までに。
かつて食べていた地方の記録から、ウミガメの味は以下のように伝えられています。
・アオウミガメ:やや甘みのある柔らかい赤身肉
・内臓脂肪は濃厚で独特の風味
・卵は黄身が濃厚で栄養価が高い
ただしウミガメの肉には「ビタミンA過剰症」「寄生虫」「重金属汚染」のリスクもあると言われ、現代の安全基準では問題視されます。
まとめ
・世界では今もウミガメを食べる文化が残る国がある
・日本でも一部地域で食べられていたが、今は完全に消滅
・法規制、環境意識、食文化の変化が理由
・現代日本では保護対象であり、食用にはしない
ウミガメは「食べる対象」から「守る対象」に完全に立場が変わった生き物です。
釣りや海好きの私たちも、そっと見守るだけの存在ですね。


