釣りをしていると、「バラしてしまった」「口切れした」といった場面に遭遇します。
そのときふと思うのが、「あの魚、針が刺さったままで大丈夫なのだろうか?」という疑問。
今回は、「魚の口に針が刺さった場合、その後どうなるのか?」というテーマで、釣り人が知っておくべき知識を解説します。
■ 結論:多くの魚は針が刺さっても、生き延びる可能性が高い
まず最初にお伝えしておくと、魚の種類や針のかかり方にもよりますが、多くの魚は針が刺さったままでも生き延びることができます。
さらに、一定時間が経過すると、体の動きや自然な再生作用によって針が抜けるケースもあります。
以下、その理由を詳しく見ていきましょう。
■ 魚の口周りは“硬くて再生能力が高い”部位
魚の口まわり、特に上顎や下顎の骨周辺は硬い軟骨や骨に近い構造をしています。
そのため、針が貫通しても出血が少なく、傷が深くなりにくいのが特徴です。
また、魚には再生能力(治癒力)が高い種も多く、軽い傷なら数日〜数週間でふさがることが知られています。
■ 針が自然に抜けるケースとは?
魚が針を刺したまま逃げたとしても、その後に針が抜ける要因はいくつかあります。
・外部的な力で抜ける
岩や障害物、海藻などに引っかかった拍子に、針がこすれて抜け落ちることがあります。
・自分で振り払う
魚は体を振ったり岩に擦り付けたりする行動をするため、その動きで針が外れることも。
・腐食する針
現在多くの釣り針は**錆びやすい素材(鋼製)**で作られています。
海中にいると、数日から数週間で自然に腐食し、抜け落ちる可能性が高いのです。
■ ただし、致命的なダメージを受けるケースもある
もちろん、すべての魚が無事とは限りません。
たとえば以下のようなケースは致命傷になる可能性が高くなります。
・エラや喉奥に刺さってしまった場合
呼吸器官や内臓に近い部位に刺さると、出血や感染のリスクが高まるため、命に関わることがあります。
・トレブルフック(3本針)などが深く刺さった場合
絡まって動きが制限され、捕食ができなくなる=餓死のリスクもあります。
■ リリース時の対策:針を無理に外さないのも選択肢
もし魚をリリースする場合、無理に針を外すことが逆にダメージを与える場合もあります。
特に喉奥やエラ近くにかかっている場合は、ラインを切って針を残したままリリースした方が魚の生存率が高いという研究報告もあります。
■ 釣り人にできる配慮とは?
魚に優しい釣りをするために、以下のような工夫が有効です。
・バーブレスフック(カエシなしの針)の使用
簡単に外れやすいため、魚へのダメージが少ない。
・素早いリリース
長時間魚を水面で晒さず、できるだけ早く水中に戻すことで生存率が高まります。
・プライヤー使用で丁寧に針外し
素手で無理に外すより、専用の針外し器具(フィッシュグリップ・プライヤー)を使うことで魚にも釣り人にも安全です。
■ まとめ:魚は意外と強いが、配慮は釣り人のマナー
・魚の口に針が刺さっても、多くの場合は自然に抜けたり、再生したりする
・ただし深い傷や内臓への損傷は命に関わる
・リリース時には「無理に針を取らない」ことも重要
・魚に優しい釣りを意識することで、釣り文化も守られていく
「釣った魚は、また育てて再び出会える存在」
そう思える釣り人が増えれば、未来の海はもっと豊かになるはずです。


