和歌山の海でも、テトラ帯からルアーを投げるアングラーの姿は日常の風景です。
特に青物シーズンともなれば、一発大物を求めて多くの方がテトラの上に立ちます。
しかし、テトラでの釣りには、堤防や磯とは比較にならない特有の「恐怖」が潜んでいます。
それは、魚がヒットした瞬間に訪れる「バランスの崩壊」です。
ヒットした瞬間、足元は凶器に変わる
青物の強烈な引きは、私たちの想像以上に身体を揺さぶります。
不意の突っ込みに耐えようと踏ん張った瞬間、もし足元が滑ったらどうなるでしょうか。
テトラの隙間に落ちれば、自力での脱出は極めて困難です。
ましてや大型の青物相手に片手が塞がった状態では、受け身すら取れません。
「釣れた喜び」が、一瞬で「命の危険」に直結するのがテトラ釣りの恐ろしさです。
滑らないための装備は「ケチらない」が鉄則
テトラで最も重要なのは、ロッドの性能よりもまず「靴」です。
普通のラジアルソール(ゴム底)では、濡れたテトラや苔の上ではスケート靴のように滑ります。
テトラの材質や状態にもよりますが、基本的にはスパイクフェルトや、グリップ力の高い専用ソールを選んでください。
「ちょっとそこまで」という軽い気持ちが、取り返しのつかない事故を招きます。 命を守るための装備に、妥協は一切不要です。
バランスを保つための「ファイトの心得」
魚が掛かったら、まずは自分の重心を低く保つことを最優先してください。
のけぞるようにして耐えるのではなく、膝を軽く曲げてテトラの面にしっかり荷重を乗せます。
また、魚を寄せる際は無理に足場を移動せず、安全な位置でネットを構える準備をしておくことが大切です。
もしバランスを崩しそうになったら、最悪の場合は竿を捨てる、あるいはベールを返す勇気を持ってください。
魚はまた釣れますが、あなたの命は一つしかありません。
ライフジャケットは「浮力体入り」を推奨
テトラ帯での落水事故で最も怖いのは、浮いた瞬間に波でテトラに叩きつけられることです。
自動膨張式は、テトラの鋭い角で擦れて破れるリスクがあります。
できれば、クッション材の役割も果たしてくれる固定式のフローティングベストを着用しましょう。
背中や胸を守るプロテクターとしての機能が、あなたの生死を分けるかもしれません。
最後に
テトラでの青物釣りは、スリルがあって楽しいものです。
しかし、それは「生きて帰る」という大前提があってこそ成立します。
釣太郎でも、皆様が安全に釣行を終えられることを何より願っています。
無理な釣行は控え、万全の装備で和歌山の豊かな海を楽しんでください。

