タカノハダイの尾鰭に並ぶ白い斑点。
あれは病気でも傷でもなく、この魚の特徴的な模様です。
実際、図鑑類でもタカノハダイは尾鰭に多数の白色斑をもつ魚として記載されています。
ただし、「この斑点の役割はこれだ」と断定したタカノハダイ専用の実験研究は、今回確認できませんでした。
なのでここは言い切りではなく、魚類の模様研究から見た有力な説として考えるのが正確です。
いちばん有力なのは3つ
まずひとつ目は、輪郭をぼかすカモフラージュ効果です。
魚の斑点や縞模様は、体の境界を分かりにくくして、捕食者に形をつかませにくくする働きがあると考えられています。
磯の岩陰やまだらな光の中では、水玉模様は意外と溶け込みやすいです。
ふたつ目は、仲間や近縁種との識別サインです。
サンゴ礁魚や沿岸魚では、色や模様がコミュニケーションや識別に重要だとされています。
タカノハダイの尾の白斑も、「同じ仲間だ」と見分ける目印の一部である可能性があります。
三つ目は、尾のほうへ攻撃をそらす効果です。
動物の眼状紋や斑点模様には、捕食者の攻撃を頭ではなく後方へ誘導する働きがあるという研究があります。
タカノハダイの白斑は“目玉そっくり”ではありませんが、尾側を目立たせることで致命傷を避ける方向に働いている可能性はあります。
要約
タカノハダイの尾鰭が斑点模様なのは、
保護色。
識別。
攻撃そらし。
この3つが重なった結果と考えるのが自然です。
つまり、ただ綺麗なだけではなく、磯で生き残るための模様という見方がいちばんしっくりきます。

