海の中にも「酸素」があることをご存じですか?
私たちが呼吸する空気と同じように、魚たちも水中の酸素を必要としています。
ところが近年、海の酸素が足りなくなる現象が世界中で報告されており、漁業や生態系に深刻な影響を与えています。
この記事では、海の酸素不足(貧酸素)がなぜ起こるのか、そして魚たちにどんな影響を与えるのかを、科学的にわかりやすく解説します。
海の酸素はどこから来るの?
海の酸素は主に以下の2つの方法で供給されます:
- 大気との接触:波や風によって海面から酸素が溶け込む
- 植物プランクトンの光合成:太陽の光を受けて酸素を放出
しかし、これらの供給が追いつかないと、「貧酸素状態」が発生します。
酸素不足の原因とは?
1. 富栄養化によるプランクトンの異常増殖
農業や生活排水に含まれる窒素やリンが海に流れ込むと、植物プランクトンが大量発生(赤潮など)。
その死骸が海底に沈み、分解時に大量の酸素を消費します。
2. 海水の分層化
夏場などに表層と深層の水が混ざらなくなると、深い場所に酸素が届かなくなり、酸素不足が進行します。
3. 地球温暖化
海水温が上がると酸素の溶解度が下がり、海水中に溶け込める酸素の量が減少します。
魚たちへの影響は?
🐟 呼吸困難で大量死
酸素が足りないと、魚はエラ呼吸ができず、窒息して死んでしまうことがあります。
特に動きの速い魚ほど酸素を多く必要とするため、影響が大きいです。
🐟 生息域の変化
酸素の多い浅瀬に逃げるため、漁場が変化したり、漁獲量が減少することも。
🐟 成長や繁殖への悪影響
酸素が少ない環境では、魚の成長スピードが遅くなり、繁殖力も低下します。
これが長期的な資源減少につながる恐れがあります。
日本近海でも起きている「貧酸素水塊」
瀬戸内海や有明海など、日本の沿岸でも「貧酸素水塊」と呼ばれる酸素の少ない水のかたまりが発生しています。
特に夏場に多く、底引き網漁で魚が激減する原因にもなっています。
私たちにできることは?
- 生活排水の見直し(洗剤や肥料の使いすぎに注意)
- 海洋環境のモニタリング支援
- 持続可能な漁業の推進
- 温暖化対策への参加
まとめ:見えない「酸素」が海を変える
海の酸素不足は、目には見えないけれど、魚の命と私たちの食卓に直結する問題です。
科学的な理解と日々の行動が、未来の海を守る第一歩になります。

