「スーパーで買ったアジと、釣りたてのアジは味が違う」 こう感じたことはありませんか?
鮮度の違いはもちろんありますが、実は**「アジの育ち方(ライフスタイル)」**によって、
その味や脂の乗りは天と地ほどの差が生まれます。
今回は、アジ釣りファンなら知っておきたい「回遊アジ」と「居着きアジ」の決定的な違いについて解説します。
1. 回遊型と居着き型、それぞれの特徴
マアジは大きく分けて2つのタイプが存在します。 沖を泳ぎ回る「回遊型」と、浅瀬の根に定着する「居着き型」です。
釣り人の間では、体色からそれぞれ「黒アジ(回遊)」「金アジ(居着き)」とも呼ばれています。
回遊アジ(黒アジ)の特徴
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生息域: 外洋や沖合を群れで広範囲に回遊している。
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体色: 背中が黒っぽく、全体的に青黒い。
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体型: 長距離を泳ぐため、スマートで細長い流線型をしている。
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特徴: 運動量が多いため、身が引き締まっている。
居着きアジ(金アジ・黄アジ)の特徴
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生息域: 餌が豊富な湾内や沿岸の岩礁帯(根)に定着している。
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体色: 全体的に黄色みを帯びており、特にヒレや側線が黄金色に輝いている。
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体型: 体高があり、丸々としていて厚みがある。
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特徴: 運動量が少なく餌をたくさん食べているため、メタボ気味。
2. 決定的な「脂質」の差
ここが本題です。
両者の最大の違いは**「脂質含有量(脂の乗り)」**にあります。
脂質量のデータ比較
一般的なデータや食味の傾向として、以下のような差があります。
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回遊アジ(黒アジ):脂質 3〜5%前後 アスリートのような筋肉質な身質です。 脂は控えめで、サッパリとした旨味が特徴です。
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居着きアジ(金アジ):脂質 10〜15%以上 まさに「海の和牛」。 豊富なプランクトンや甲殻類を飽食し、あまり泳ぎ回らないため、全身に上質な脂を蓄えています。 醤油を弾くほどの脂乗りは、この居着き型ならではの特徴です。
なぜこれほど差が出るのか?
理由は**「エサ」と「運動量」**です。 居着きアジが生息する沿岸の岩礁帯は、エビやカニの幼生など栄養価の高いエサが豊富です。
それらをたっぷり食べ、外敵の少ない場所であまり動かずに過ごすため、必然的に脂が乗るのです。
3. 一目瞭然!美味しいアジの見分け方
釣れたアジや、鮮魚店でアジを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしてください。
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体高(背中からお腹の幅)を見る シュッとしているよりも、背中が盛り上がり、お腹がボテッとしているものが脂が乗っています。
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身体の輝きを見る 全体的に黄色っぽい輝き(ゴールド)がある個体は、内湾の居着き型の可能性が高いです。
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顔の小ささ 身体に対して顔が小さく見える個体は、それだけ身が盛り上がっている証拠(通称:小顔アジ)です。
4. 個性を活かしたおすすめの料理
脂質差を理解すると、料理の使い分けがさらに楽しくなります。
居着きアジ(金アジ)向け
おすすめ:刺身、たたき、なめろう
濃厚な脂の甘みを楽しむなら、生食が一番です。
口に入れた瞬間に広がるクリーミーな脂は、高級魚にも引けを取りません。
加熱すると脂が溶け出してしまうため、まずは刺身で味わってみてください。
回遊アジ(黒アジ)向け
おすすめ:アジフライ、干物、南蛮漬け
身が引き締まり、水っぽさが少ないため、加熱調理に向いています。
特に干物にすると、凝縮された旨味が引き立ちます。
また、サッパリしているため、油を使ったフライにしてもくどくならず、いくらでも食べられます。
まとめ:地元の居着きアジを狙おう
同じ「アジ」でも、育った環境でその中身は全くの別物です。
特に脂の乗りまくった「金アジ(居着き)」は、鮮度の落ちが早いため市場にはあまり出回りません。
これこそ、釣り人だけが味わえる特権と言えるでしょう。
ぜひ地元の堤防や磯で、黄金に輝く幅広のアジを狙ってみてください。 その脂の甘さに、きっと驚くはずです。

