南紀の冬は「尺アジ」のシーズン
南紀の冬といえば、脂の乗った「寒尺アジ」が狙える最高のシーズンです。
30cm、時には40cmを超える大型アジは、堤防から狙える魚としても最高峰の人気を誇ります。
しかし、釣り場に行くと「隣の人は爆釣なのに、自分だけアタリがない」という悔しい経験をすることがあります。
仕掛けもエサも同じなのに、なぜ釣れないのか。
その答えの9割は「棚(タナ=魚がいる水深)」がズレていることにあります。
今回は、南紀の寒尺アジ攻略に欠かせない、初心者向けの「棚取り」テクニックを徹底解説します。
なぜ冬のアジは「棚」がシビアなのか?
夏のアジと違い、冬の大型アジは非常に賢く、そして動きが鈍くなります。
活発にエサを追いかけて水面近くまで浮いてくることは、まずありません。
寒尺アジは、基本的に「海底付近」に張り付いています。
海底の地形変化や、カケアガリと呼ばれる斜面に身を潜め、流れてくるエサを待っているのです。
そのため、エサ(針)が魚の目の前を通過しない限り、口を使ってくれません。
「棚が1メートルズレているだけで、釣果は0匹か10匹かの差になる」と言われるのはこのためです。
特に水深のある南紀の堤防や磯では、この棚合わせが釣果を分ける最大の鍵となります。
初心者でもできる!正確な棚取りの3ステップ
では、具体的にどうすれば良いのか。 感覚に頼らず、誰でも確実に棚を合わせるための手順をご紹介します。
ステップ1:まずは「底(海底)」を確実に取る
寒尺アジ釣りの基本は「底」です。
ウキ止め糸の位置を調整し、一度仕掛けを海底まで沈めてみましょう。
ウキが水面に立たず、寝てしまっている状態(または沈みウキなら着底の感触)になれば、それが「底」です。
南紀は水深が深い場所が多いので、少し重めのオモリを使うと底が取りやすくなります。
ステップ2:底から「ヒロ」単位で調整する
底が分かったら、そこから少しだけ浅くします。
根掛かり(海底の岩に針が掛かること)を防ぐため、まずは「底からヒトヒロ(約1.5m)切る」のがセオリーです。
ウキ止め糸を、竿1本分〜1.5m分ほど下にずらして調整してください。 これで、カゴや針が「海底の少し上」を漂う状態になります。
ステップ3:アタリがなければ「50cm刻み」で微調整
ここからが勝負です。
数回投げてもアタリがない場合、アジはもう少し上にいるか、あるいはベタ底にいる可能性があります。
まずは50cm〜1m単位で、ウキ下を浅く(タナを上げる)してみましょう。
逆にエサ取り(小魚)すらいない場合は、もう少し深くしてギリギリ底を攻めます。
「アタリがあった棚」がその日の正解です。
釣れた棚は絶対に動かさず、マーカーなどで道糸に印をつけておくと再現性が高まります。
南紀フィールド特有の注意点
南紀の釣り場は潮通しが良く、流れが速い場所が多くあります。
潮が速いと、仕掛けが斜めに入ってしまい、設定した棚よりも実際のエサの位置が浮き上がってしまうことがあります。
これを「棚ボケ」と言います。
もし潮が速いと感じたら、ガン玉を追加して仕掛けを馴染ませるか、ウキ下を少し深めに設定して調整しましょう。
「計算上の棚」と「実際の水中の棚」をイメージすることが、脱初心者への第一歩です。
まとめ:棚を制する者は尺アジを制す
高価な竿やリールを買うよりも、正確な「棚取り」を覚えることが、尺アジゲットへの近道です。
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まずは確実に底を取る。
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底から1.5m上げてスタートする。
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反応を見ながら50cm刻みで調整する。
この3つを意識するだけで、南紀での釣りは劇的に変わります。
さあ、しっかりと棚を合わせて、夢の寒尺アジをその手に掴みましょう。

