「水面下にグレが見えているのに、まったく釣れない。」
これは
フカセ釣りを始めた人が
必ず一度は直面する現象です。
「魚はいる。」
「活性も悪くなさそう。」
「なのに食わない。」
この状態には
必ず理由があります。
しかも
理由は一つではありません。
この記事では
南紀の実釣経験を前提に
**なぜ“見えているグレほど釣れないのか”**を
初心者でも理解できるよう
順番に解説します。
結論から言うと
見えているグレは「釣れる個体」ではないことが多い
まず
一番大切な考え方です。
見えているグレ=釣れるグレ
ではありません。
むしろ
フカセ釣りでは
「見えているグレほど、釣れない。」
これは
ベテランほど
はっきり言います。
理由を
順に見ていきましょう。
理由①
見えているグレは「警戒役」の個体
水面近くで
はっきり見えるグレは
・経験値が高い
・何度も釣り人を見ている
・危険察知能力が高い
こうした
警戒担当の個体であることが多いです。
彼らの役割は
「まず様子を見る。」
「危険がなければ、下の群れが食う。」
というもの。
つまり
見えているグレは
自分からエサを食いに来ない役
なのです。
理由②
ハリス・ウキ・仕掛けが完全に見抜かれている
グレは
非常に視力が良い魚です。
特に
・冬の澄み潮
・凪
・晴天
この条件が揃うと
人間が思っている以上に
細部まで見えています。
具体的には
・ハリスの太さ
・ハリの形
・ウキの不自然な動き
・エサの沈下スピード
これらすべてを
見ています。
「エサは自然だけど
その上の糸が怪しい。」
そう判断した瞬間
グレは
一切口を使いません。
理由③
撒き餌と仕掛けが同調していない
初心者に
非常に多いパターンです。
・撒き餌は足元
・仕掛けは沖
・タナが合っていない
この状態では
グレは撒き餌を食べているだけで
付けエサには触りません。
グレは
「同じ流れ」
「同じスピード」
で落ちてくるものしか
警戒を解きません。
撒き餌と
付けエサが
別々の動きをしていれば
それだけでアウトです。
理由④
見えているグレは「上層の魚」
水面近くで
見えるグレは
・空腹度が低い
・餌を選べる立場
であることがほとんどです。
本当に口を使うのは
・一段下
・二段下
・潮のヨレ
・ウキが見えない位置
こうした場所にいる
見えないグレです。
フカセ釣りは
「見える魚を釣る釣り」
ではありません。
「見えない魚を
想像して釣る釣り」
です。
理由⑤
エサを「ついばんで吐き出している」
見えているのに
アタリが出ない。
この場合
実は
グレは
・一瞬くわえる
・違和感で吐く
という動作を
繰り返しています。
特に寒グレ期は
・吸い込みが弱い
・違和感に極端に敏感
そのため
・ハリが大きい
・ハリスが硬い
・エサが不自然
こうした要素があると
ウキは一切反応しません。
ではどうすればいい?
見えているグレを釣るための対処法
ここからが
重要です。
対処法①
見えているグレは「無視」する
一番簡単で
一番効く方法です。
・見えているグレは追わない
・撒き餌は沖へ
・仕掛けは深く
これだけで
突然
ウキが入ることがあります。
対処法②
タナを「半ヒロ」単位で下げる
見えている位置より
・50cm下
・1m下
このゾーンに
本命がいることが多いです。
「見えなくなった瞬間からが勝負」
これを
覚えてください。
対処法③
ハリスを細く・長くする
寒グレ期の基本です。
・ハリスはワンランク落とす
・長さは1.7m〜2m
これだけで
食いが一変することがあります。
対処法④
撒き餌を「一点に集中」させない
見えるグレに
撒き餌を集中させると
・警戒心が増す
・食うけど吐く
この状態になります。
少しずつ
帯状に流し
「下で拾わせる」
これが
フカセ釣りの基本です。
フカセ釣りは
「見えない情報」を読む釣り
最後に
一番大事な話です。
フカセ釣りは
・魚を見る釣り
ではなく
・潮
・流れ
・沈下速度
・違和感
これらを
想像して組み立てる釣りです。
見えているグレに
振り回されるほど
釣果は
遠のきます。
「見えているのに釣れない。」
それは
あなたの腕が悪いのではありません。
フカセ釣りの本質に
一歩近づいた証拠です。
要約
・見えているグレは警戒心が非常に高い
・本当に釣れるのは見えない層のグレ
・撒き餌と仕掛けの同調が最重要
・タナとハリス調整で一気に変わる
・フカセ釣りは「想像力の釣り」
この考え方を身につけると
グレ釣りは
一段階上の世界に入ります。

