「冬にアオリイカは釣れない」。
これは半分正解で、半分は間違いです。
正確には。
「冬のアオリイカは、エサの条件を外すと一切抱かない」。
これが真実です。
南紀では冬でもアオリイカが釣れます。
しかし釣れる人と釣れない人の差は、
・ポイント
・仕掛け
よりも
・エサの条件
にあります。
この記事では。
冬アオリイカが
「なぜ抱くのか」
「なぜ見送るのか」
を、感覚論ではなく理屈で解説します。
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冬アオリイカの前提条件
まず大前提として。
冬のアオリイカは。
・活性が低い
・捕食回数が少ない
・一杯一杯の捕食判断がシビア
秋のように。
「見たら反射で抱く」
という状態ではありません。
つまり。
冬は
「捕食に値するかどうか」を
必ずチェックされます。
この前提を無視すると。
どんな高級アジでも。
どんな高価なエギでも。
抱きません。
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条件① エサが“弱っている”こと
冬アオリイカが最も重視するのは。
エサの「動きの少なさ」です。
低水温期。
アオリイカ自身の代謝も落ちています。
全力ダッシュで獲物を追いかける気はありません。
そのため。
・元気に泳ぎ回るアジ
・速く逃げるベイト
は、
「面倒くさい」
「失敗リスクが高い」
と判断されます。
冬に強いエサの条件は。
・フラフラしている
・一定のレンジから逃げない
・捕まえやすそう
つまり。
弱った個体に見えること。
これは
活きアジでも
冷凍アジでも
共通です。
重要なのは。
「生きているかどうか」ではなく。
「捕食成功率が高そうかどうか」。
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条件② サイズが大きすぎないこと
冬アオリイカは大型が多い。
だから大きなエサが良い。
これは半分間違いです。
確かに。
2kg、3kgクラスは
大きなアジも抱けます。
しかし。
冬のアオリイカは
「確実に仕留められるサイズ」を選びます。
実績が高いのは。
・12cm〜15cm前後のアジ
・細身
・泳力が弱い個体
大きすぎるエサは。
・捕食に時間がかかる
・途中で逃げられる
・他個体に横取りされる
このリスクを嫌います。
冬は
「一撃必殺できるサイズ」
が正解です。
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条件③ 不自然な抵抗がないこと
冬は特に。
アオリイカの「違和感察知能力」が上がります。
理由は単純で。
失敗が許されない季節だからです。
具体的に嫌われる要素は。
・重すぎるオモリ
・引っ張られるテンション
・不自然な沈下速度
特に。
ウキ釣り・ヤエン釣りでは。
アジが
「何かに引っ張られている」
と感じる動きは致命的です。
冬アオリイカは。
抱いた瞬間に
違和感があれば
即離します。
だからこそ。
オモリ付きヤエンが有効になります。
アオリイカが
エサを抱いた後も
アジが自然に泳げる。
この「自然さ」が
冬は特に重要です。
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条件④ 匂いが“新鮮”であること
冬は視覚よりも。
嗅覚情報の比重が上がります。
理由は。
水温が低く。
水中の動きが少ないため。
アオリイカは。
・血
・体液
・粘液
の微量な匂いを感知しています。
ここで重要なのが。
「腐敗臭」と「新鮮な匂い」は全く別物。
・古い冷凍アジ
・解凍焼けしたエサ
・内臓が傷んだ個体
これらは。
冬ほど露骨に嫌われます。
冬は。
量より質。
安さより鮮度。
これが結果に直結します。
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条件⑤ レンジが安定していること
冬アオリイカは。
底ベタに張り付いているわけではありません。
実績が高いのは。
・底から30cm〜120cm前後
の帯状レンジ。
エサが。
・上下に大きく動く
・浮いたり沈んだりを繰り返す
この動きは。
冬にはマイナスです。
「そこに居続ける」。
「逃げない」。
この安心感が。
抱きに直結します。
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冬アオリイカが“抱く瞬間”の正体
冬アオリイカは。
空腹だから抱くのではありません。
・成功率が高い
・失敗リスクが低い
・エネルギー消費が少ない
この条件が揃った瞬間に。
抱きます。
だから。
冬は
「誘う釣り」ではなく
「判断させる釣り」。
エサが語る。
アオリイカが答えを出す。
それが冬のアオリイカ釣りです。
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要約
冬アオリイカが抱くエサの条件は。
・弱って見える
・サイズが適正
・不自然な抵抗がない
・匂いが新鮮
・レンジが安定している
この5点。
冬は。
テクニックよりも
エサの完成度。
南紀が
「冬でもアオリイカが釣れる聖地」
と言われる理由は。
この条件を満たしやすい環境が
揃っているからです。

