「やった!ヒラマサだ!」と叫んで持ち帰ったら、実はブリだった……。
「美味しいカワハギだ!」と思って食べようとしたら、内臓に猛毒を持つソウシハギだった……。
釣り場では、こうした「勘違い」が日常茶飯事です。
しかし、魚種を正確に見分けることは、釣果を自慢するためだけでなく、自身の命を守るためにも不可欠なスキルです。
今回は、ベテランでも迷うことがある「そっくりな魚」10選を、決定的な違いとともにご紹介します。
1. 【基本編】どっちが高級?食卓の定番
① ヒラメ(左) vs カレイ(右)
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見分け方: 「左ヒラメに右カレイ」。 お腹を手前にして置いた時、顔が左にあればヒラメ、右にあればカレイです。
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特徴: ヒラメはフィッシュイーターで口が大きく歯が鋭い。 カレイは虫エサなどを食べるため口が小さいのが特徴です。
② マアジ(本アジ) vs マルアジ(アオアジ)
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見分け方: 尾ビレの付け根にある「小離鰭(しょうりき)」という小さなヒレの有無。 マルアジには、背ビレと尾ビレの間に小さな突起(ヒレ)がありますが、マアジにはありません。
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特徴: マアジの方が体高があり、平べったい。 マルアジは棒のように細長い。 味はマアジの方が評価が高いですが、旬のマルアジも美味です。
③ マサバ vs ゴマサバ
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見分け方: お腹の模様。 マサバの腹は無地の銀白ですが、ゴマサバには黒い「胡麻模様」の斑点が散らばっています。
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特徴: どちらも美味しいですが、夏は「ゴマサバ」、秋冬は「マサバ」が旬と言われます。
2. 【上級編】間違えると恥ずかしい?ステータス魚
④ ブリ vs ヒラマサ
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見分け方: 「口角(こうかく)」の形。 上顎の角が鋭く角ばっているのが「ブリ」。 丸みを帯びて優しいカーブを描いているのが「ヒラマサ」です。
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特徴: ヒラマサの方が引きが強く、市場価値も圧倒的に高い「御三家筆頭」です。
⑤ スズキ vs ヒラスズキ
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見分け方: 尾ビレの付け根の太さと、下顎。 スズキは尾の付け根が細く、下顎にウロコがありません。 ヒラスズキは尾の付け根が太くガッシリしており、下顎に「一列のウロコ」があります。
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特徴: ヒラスズキは荒磯の王者。 味もヒラスズキの方が圧倒的に良く、高値で取引されます。
⑥ 口太(クチブト)グレ vs 尾長(オナガ)グレ
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見分け方: エラブタの縁(ふち)の色。 エラブタの縁が黒く滲んでいるのが「尾長グレ」。 特に黒くないのが「口太グレ」です。
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特徴: 尾長グレは筋肉質で引きが強く、歯が鋭いためハリスを切られやすい難敵です。
3. 【マニアック編】よく見ると違う!
⑦ カサゴ(ガシラ) vs ウッカリカサゴ
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見分け方: 体の白斑(白い点)の縁取り。 白い点にはっきりとした暗色の縁取りがあるのが「ウッカリカサゴ」。 縁取りがないのが普通の「カサゴ」です。 また、ウッカリの方が巨大化します。
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特徴: 学者が「うっかりして新種だと気づかなかった」ことから命名されたユニークな魚です。
⑧ マダイ vs チダイ
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見分け方: 尾ビレの縁の黒色。 尾ビレの後ろ縁が黒いのが「マダイ」。 黒くない(赤いまま)のが「チダイ」です。 また、チダイはエラブタが血のように赤いことから「血鯛」と呼ばれます。
4. 【危険編】命に関わる!絶対に間違えてはいけない魚
⑨ ウマヅラハギ vs ソウシハギ(猛毒!)
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見分け方: 体の模様と尾ビレ。 ウマヅラハギは灰色っぽい無地ですが、ソウシハギは体に**「青い波模様」**があり、尾ビレが団扇(うちわ)のように大きいです。
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危険性: ソウシハギは内臓に「パリトキシン」というフグ毒の数十倍とも言われる猛毒を持っています。 カワハギ系だと思って肝を食べると死亡事故に繋がるため、絶対にリリースしてください。
⑩ イシダイの幼魚(サンバソウ) vs イシガキダイの幼魚
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見分け方: 縞模様か、斑点か。 くっきりとした白黒の縞模様なら「イシダイ」。 全体的に細かい斑点模様なら「イシガキダイ」です。
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注意: どちらも美味しいですが、イシガキダイの大型(老成魚)は、地域によってシガテラ毒を持つ可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
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似ている魚には「高級魚」と「大衆魚」の違いだけでなく、「猛毒」のリスクもある。
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口角、ヒレの形、斑点の有無など、見るべきポイントを知っておけば一発で判別可能。
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特にソウシハギなどの毒魚は、怪しいと思ったら絶対に持ち帰らないこと。
「違和感」を感じたら、すぐに調べる癖をつけることが、安全で楽しい釣りの第一歩です。


