「さっきまで足場だった場所が、今は海の底にある」 南紀の磯釣りでは、そんな光景が日常茶飯事です。
アジやグレ、イカを狙う際、「満潮が良いのか、干潮が良いのか」と悩む初心者の方は多いはず。
実は、南紀地方(和歌山県南部)の潮位差は、想像以上にダイナミックです。
この「差」を味方につけることこそが、好釣果への最短ルートとなります。
今回は、南紀の磯における満潮・干潮の違いと、それぞれの攻略法を解説します。
1. 南紀の潮位差は「大人の身長」ほど変わる
まず知っておくべきは、「どれくらい水位が変わるのか」という事実です。
大潮(おおしお)の日、南紀エリアでは干潮時と満潮時の潮位差が150cm〜180cm、
時期によっては約2m近くに達することもあります。
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干潮時: 磯の先端まで歩いて行ける。海底の岩(シモリ)が顔を出している。
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満潮時: その道は完全に水没し、魚の通り道(潮目)に変わる。
つまり、同じ釣り場であっても、満潮と干潮では**「全く別のポイント」**になると考えてください。
2. 満潮時(上げ潮)のメリット・攻略法
潮が満ちてくる時間帯は、多くの魚にとって「食事の時間」です。
【メリット】
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魚が岸に寄る: 水位が上がると、警戒心の強い大型のグレやチヌ、回遊魚も磯際まで入ってきます。
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潮通しが良くなる: 新しい海水が入り、魚の活性が上がります。
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狙い目: 普段は浅すぎて釣りにならない「ワンドの奥」や「海藻帯の上」が、一級ポイントに化けます。
【注意点】
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孤立の危険: 夢中になって釣っていると、帰り道が水没して帰れなくなる恐れがあります。常に背後の水位を確認しましょう。
3. 干潮時(下げ潮)のメリット・攻略法
潮が引いていく時間帯は、チャンスがないと思われがちですが、実は「攻めの釣り」ができる時間です。
【メリット】
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沖のポイントに近づける: 普段は渡れない離れ磯や、さらに沖の岩場まで歩いて渡れるようになります。
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地形の予習ができる: 「あそこに大きな沈み根がある」「ここは溝になっている」など、海底の地形を目視で確認できます。これは次回の満潮時に大きなヒントになります。
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ナブラ・潮目が絞りやすい: 水量が減ることで、魚の居場所が凝縮され、ポイントが絞りやすくなることがあります。
【注意点】
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浅すぎる: 釣り座の足元が干上がり、取り込み(ランディング)が難しくなることがあります。長いタモ柄が必要です。
4. 南紀特有の「黒潮」と「異常潮位」に注意
南紀は黒潮の影響を強く受ける地域です。
潮位表では「干潮」の時間でも、黒潮の接岸状況や気圧配置によっては、思ったより潮が引かない、
あるいは逆に異常に潮位が高くなることがあります。
特に冬場の季節風が強い日は、波が這い上がりやすく、実際の潮位以上に危険度が増します。
「数値上の潮位」だけでなく、「実際の波の被り具合」を必ず目で見て判断してください。
5. 結論:どっちが釣れる?
結論として、「動き始め」が最も釣れます。 完全に潮が止まった「満潮いっぱい」「干潮いっぱい」
の瞬間よりも、**「上げ七分(満潮に向かう途中)」や「下げ三分(引き始め)」**のように、
潮が動いている時間帯に魚の食い気スイッチが入ります。
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満潮前後: 足元の際(キワ)を丁寧に探る。
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干潮前後: 沖の潮目や、露出したシモリ周りを遠投で攻める。
このように、潮位に合わせて釣り方を変えるのが南紀スタイルの基本です。
まとめ
南紀の磯は、半日で景色が一変します。
「潮位差2m」は、見方を変えれば**「2m分、攻略の引き出しが増える」**ということです。
釣太郎では、日々の正確な潮見表や、現在の磯の状況をリアルタイムで発信しています。
釣行前には必ず潮汐を確認し、安全第一で南紀の釣りを楽しんでください。

