カゴ釣りやサビキ釣りで「とにかく同じ場所に投げ続けろ」と教わったことはありませんか。
「魚が寄ってくるから」というのは間違いではありませんが、少し曖昧です。
実は、海の中では目に見えない「化学的な変化」が起きています。
なぜ1回ではなく、何度も繰り返す必要があるのか。
今回は、アミエビという物質が引き起こす現象を、AIが科学的アプローチで解説します。
これを読めば、あなたはもう「なんとなく」仕掛けを投げることはなくなるはずです。
見出し1:アミエビは単なるエサではない。「アミノ酸の爆弾」である
まず、アミエビの正体を化学的に分解してみましょう。
釣り人が見ているのは「小さなエビ」ですが、魚の嗅覚(センサー)が捉えているのは全く別のものです。
それは「グルタミン酸」「グリシン」「アラニン」といった遊離アミノ酸の集合体です。
特にグルタミン酸は「うま味成分」の代表格であり、魚の摂食行動を強烈に刺激する「興奮物質」として作用します。
つまり、カゴからアミエビが放出された瞬間、海中には目に見えない「食欲増進シグナル」が化学物質として拡散しているのです。
見出し2:一点集中が生み出す「濃度勾配(ケミカル・ロード)」
では、なぜ「同じ場所」でなければならないのでしょうか。
それは海中に**「濃度勾配(のうどこうばい)」**を作るためです。
1回カゴを投げただけでは、アミノ酸の濃度はすぐに拡散し、薄まってしまいます。
しかし、同じポイントに繰り返し投げることで、その中心部の化学物質濃度は飛躍的に高まります。
魚は、匂いの濃度が「薄いほう」から「濃いほう」へと泳ぐ習性(走化性)を持っています。
あちこちに投げ散らかすと、匂いの道筋が定まらず、魚は迷子になります。
一点に集中させることで、遠くにいる魚をあなたの針先へと導く、強力な「匂いの道(ケミカル・ロード)」が完成するのです。
見出し3:「閾値(いきち)」を超えた瞬間、魚は狂喜乱舞する
生物の感覚には、反応するために必要な最低限の刺激量、すなわち「閾値(いきち)」が存在します。
アミエビの匂いが少し漂ってきた程度では、警戒心の強い大型魚のスイッチは入りません。
しかし、反復投入によってアミノ酸濃度がある一定のライン(閾値)を超えた瞬間、魚の脳内で「これはエサだ!安全だ!」という強烈な信号が発火します。
これが、いわゆる「時合い」や「スイッチが入った」状態の科学的な正体です。
「あと一投していれば釣れていたかもしれない」というのは、あと少しでこの閾値を超えるところだったのに、やめてしまった状態と言えます。
見出し4:コマセの帯を「持続」させるリロード時間
化学反応を持続させるためには、「時間管理」も重要です。
一度高まったアミノ酸濃度も、潮の流れ(拡散)によって刻一刻と薄れていきます。
完全に濃度が消える前に、次のアミエビ(化学物質)を投入しなければなりません。
「打ち返しは手早く」というのは、精神論ではなく、海中のアミノ酸濃度を「有効なレベル」に保つための必須作業なのです。
リズムよく投げ続けることは、魚に対する「誘いのリロード」を行っているのと同じです。
まとめ
「同じ場所に投げ続ける」という行為は、単なる繰り返し作業ではありません。
それは、広大な海の中に、計算された「アミノ酸の極太ハイウェイ」を建設するエンジニアリングそのものです。
魚の鼻先に、抗えないほどの化学的刺激を送り込み続けること。
それが、カゴ釣りで爆釣するための最も論理的で、確実な近道です。
次回の釣行では、海中に広がる成分の濃度をイメージしながら、正確なキャストを心がけてみてください。

