南紀の堤防から狙う、脂の乗った寒の尺アジ。
「大型は底を釣れ」とお伝えしましたが、ここで一つの疑問が湧くはずです。
「底ばかり狙っていたら、その上にいる美味しい中アジ(20〜25cm)は釣れなくなってしまうのでは?」
結論から言えば、
「その通り、釣れなくなります。しかし、それで良いのです」。
今回は、なぜ尺アジ狙いにおいて中アジを犠牲にする必要があるのか。
釣り人の迷いを断ち切る「大型アジ釣りQ&A」をお届けします。
Q1:底を狙うと、上層・中層の中アジは釣れなくなりますか?
A:はい、基本的には釣れにくくなりますが、それが「尺アジ」への入場券です。
アジは群れで行動しますが、遊泳力のある大型ほど海底付近の深場を好みます。
一方で、活性の高い中型・小型のアジは、それよりも上の層(中層)でエサを奪い合います。
もし仕掛けを中層に留めてしまえば、動きの早い中アジが先にエサに食いついてしまいます。
これでは、海底でじっとしている大型アジの口に、エサが届くことは永遠にありません。
「中アジは釣れなくていい(捨ててもいい)」という割り切りこそが、尺アジを手にするための第一歩です。
中アジを釣りながら、混じりで尺アジが釣れることは稀だと考えてください。
Q2:底を狙えば、中アジは一匹も釣れないのですか?
A:いいえ、底でも中アジは食ってきます。
「底=大型専用」というわけではありません。
活性の高い中アジは、マキエにつられて海底まで降りてくることがあります。
しかし、中層で待ち構えている群れを**「素通り」**させることで、確率論として大型と遭遇するチャンスを増やしているのです。
底で中アジが掛かるなら、それはそれで良しとしましょう。
一番ダメなのは「中アジも欲しいから」と、欲を出してタナを上げてしまうことです。
Q3:中層のアジをかわして、底までエサを届けるコツは?
A:重めのオモリで「急速潜行」させてください。
軽い仕掛けでヒラヒラと落としていると、フォール中(沈下中)に中アジやエサ取りに見つかってしまいます。
これを防ぐために、以下の工夫をしてください。
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オモリを重くする: 普段よりワンランク重いオモリを使い、中層を一気に突破させます。
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カゴの窓を閉め気味にする: 沈下中にマキエが漏れると、中層に魚を寄せてしまいます。 底に着いてからマキエが出るように調整しましょう。
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サシエサを大きく硬くする: 青イソメや、加工オキアミのハードタイプを使い、中層の魚の猛攻に耐えられるようにします。
Q4:ぶっこみサビキで狙う場合、上の針に中アジ、下の針に大アジとかかりませんか?
A:可能性はありますが、大型狙いなら下針に集中すべきです。
サビキ仕掛けは縦に長いので、広いタナを探れるメリットがあります。
しかし、上針に中アジが掛かって暴れると、警戒心の強い大型アジは散ってしまいます。
本気で尺超えを狙うなら、あえて上の針にはエサを付けない、もしくは針数を減らして底付近に集中させるのも高等テクニックです。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」。
このことわざは、アジ釣りにも当てはまります。
まとめ:勇気を持って「底」を待て
今回のQ&Aのポイントを整理します。
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中アジは「捨てる」勇気を持つ。
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中層でエサを止めず、底まで一気に落とす。
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「数」よりも「サイズ」を優先するなら、タナは絶対に変えない。
周りが中アジを連発していても、焦る必要はありません。
竿が大きく舞い込み、ドラグが鳴る快感は、底を信じて待ち続けた人だけに訪れます。
南紀の寒尺アジ、今夜は浮気せずに「底」一点張りで勝負してみてください。

