磯釣りや堤防釣りで、強い引きに胸を躍らせて糸を巻き上げたら……
現れたのは茶色い縞模様の魚。「あぁ、お前か……」とため息をついた経験はありませんか?
その魚の名はタカノハダイ。 釣り人からは「外道(狙っていない魚)」として扱われ、
リリースされることが多い不遇な魚です。
しかし、本当にただの厄介者なのでしょうか?
今回は、タカノハダイの特徴と「なぜそこまで嫌われるのか」という理由、
そして実は知られていない「美味しい食べ方」について深掘りします。
1. タカノハダイとは?基本データをチェック
まずは、タカノハダイの特徴をおさらいしましょう。
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名前: タカノハダイ(鷹の羽鯛)
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分類: スズキ目タカノハダイ科
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見た目の特徴:
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体側に走る茶色っぽい斜めの縞模様(これが鷹の羽に見えることが由来)。
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尾びれに白い水玉模様がある(これが一番の見分けポイント)。
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口は小さく、唇が分厚い。
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生息域: 日本各地の浅い岩礁帯や海藻が生えているエリア。
2. なぜ釣り人に嫌われるのか?3つの理由
タカノハダイが釣り場、特に磯釣り師から敬遠されるのには、明確な理由がいくつかあります。
① 期待させる「引き」と裏切られた感
タカノハダイは、かかった瞬間の引きが意外と強く、底へと突っ込むようなファイトを見せます。
これがグレ(メジナ)やイシダイの本命の引きと似ているため、釣り人は「来たか!?」と期待してしまいます。
しかし、水面に上がってきた瞬間の縞模様を見た時のガッカリ感が凄まじいため、「ぬか喜びさせる魚」として嫌われます。
② 「海が悪い」シグナルとされる
昔からベテラン釣り師の間では、**「タカノハダイが釣れる時は潮が動いていない(潮が悪い)」**と言われています。
タカノハダイは潮通しのあまり良くない場所や、潮が淀んでいる時間を好む傾向があるため、
「こいつが釣れる=今の海況は本命が釣れない」という絶望的なサインとして受け取られるのです。
③ 独特の「磯臭さ」
地域によっては**「ションベンタレ」**という不名誉極まりないあだ名で呼ばれます。
これは、タカノハダイが海藻類を主食としているため、個体によっては身や内臓から独特の磯臭
さ(アンモニア臭に近い臭い)がすることがあるためです。
特に夏場や処理が悪い個体は臭いが強く、一度その臭いを経験した釣り人は「二度と持ち帰らない」と誓うことも。
3. 【汚名返上】実は美味しい?旬と食べ方
散々な言われようのタカノハダイですが、実は**「旬の時期」と「下処理」さえ間違えなければ、非常に美味しい魚**に化けます。
旬は「冬」!
タカノハダイが最も美味しいのは、冬から初春にかけてです。 この時期は海藻の臭みが抜けやすく、身に脂が乗ってきます。
寒の時期のタカノハダイは、真鯛にも負けない旨味を持つと言われることもあります。
美味しく食べるための下処理
持ち帰る場合は、以下の処理を徹底しましょう。
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釣れたら即締め・血抜き: 臭みの原因となる血液をしっかり抜きます。
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内臓を傷つけずに出す: 内臓の内容物が強烈な臭いを発するため、身に移らないように注意して取り除きます。
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皮を引く: 磯臭さは皮目にあることが多いため、刺身にする場合は皮を引くか、焼き霜造りにするのがおすすめ。
おすすめ料理
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洗い(あらい): 薄造りにして氷水で締めると、身が引き締まり臭みも消え、絶品です。
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ムニエル・フライ: 独特の風味も、油やバター、スパイスと合わせることで良いアクセントになります。
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煮付け: 脂が乗った個体は、濃いめの味付けで煮付けるとご飯が進みます。
まとめ:リリースする前に一度味わってみては?
「外道」「臭い」と敬遠されがちなタカノハダイですが、その正体は、釣り人を翻弄する
パワーファイターであり、冬には脂の乗った美味なターゲットとなります。
もし冬場に良型のタカノハダイが釣れたら、すぐにリリースせず、丁寧に血抜きをして持ち帰ってみてください。
「意外とイケるじゃん!」と、評価が変わるかもしれませんよ。

