南紀の冬の風物詩「寒アジ」。
美味しいのは周知の事実ですが、サイズによって「脂の乗り(脂肪含有量)」は桁違いに変わります。
豆アジから尺アジまで、サイズ別の脂の乗りを数値化して比較。あなたが堤防から狙うべきターゲットが明確になります。
本文
精神論ではなく「数値」で見るアジの旨さ
「大きいアジの方が美味しい」と感覚的に分かっていても、具体的にどれくらい違うのかご存知でしょうか。
魚の美味しさを決める最大の要素、それが「脂肪含有量(脂質)」です。
一般的にアジの脂質は3%〜5%程度と言われています。
しかし、冬の南紀で釣れるアジ、特にサイズが良いものはこの数値を大きく上回ります。
今回はサイズごとの脂の乗りを推計値で比較し、その味の差を解説します。
【サイズ別】脂の乗り(脂肪含有量)比較表
アジのサイズによって、脂の乗りは以下のように推移します(※一般的な旬のマアジのデータに基づく目安です)。
| サイズ | 通称 | 脂質(目安) | おすすめの食べ方 |
| 15cm未満 | 豆アジ | 1〜2% | 唐揚げ、南蛮漬け |
| 20〜25cm | 中アジ | 3〜6% | 塩焼き、たたき |
| 30cm以上 | 尺アジ | 10〜15%超 | 刺身、寿司 |
豆アジ(〜15cm):さっぱりとしたタンパク源
このサイズは成長途中であり、食べた餌のエネルギーの多くを体の「骨格形成」に使います。
そのため、身に脂を蓄える余裕があまりありません。
脂質は1〜2%程度と低く、刺身にすると少し水っぽく感じることがあります。
油で揚げることでコクを足す「唐揚げ」や「南蛮漬け」が理にかなっています。
中アジ(20〜25cm):バランスの良い優等生
堤防釣りで最もよく釣れるサイズです。
脂質は3〜6%程度まで上昇し、身に旨味が出てきます。
程よい脂と身の締まりがあり、塩焼きにするとふっくら仕上がります。
刺身でも美味しいですが、まだ「とろける」というレベルには達していません。
薬味と一緒に「たたき」にすることで、旨味が引き立ちます。
尺アジ(30cm超):もはや別の魚、脂質10%超えの世界
30cmを超えた南紀の寒アジは、劇的な変化を遂げます。
体が成熟し、食べた餌の栄養をたっぷりと「脂肪」として蓄積できるようになるからです。
その脂質は驚異の10%〜15%超え。
これは高級ブランドとして知られる「どんちっちアジ(島根県)」の基準(脂質10%以上)と同等か、それ以上の数値です。
醤油を弾くほどの脂は、マグロのトロに匹敵します。
口に入れた瞬間の甘みと、濃厚な旨味は、このサイズを釣った人だけが味わえる特権です。
なぜ南紀の尺アジはこれほど脂が乗るのか
南紀は黒潮が接岸するため、アジの餌となるプランクトンや小魚が冬でも豊富です。
さらに冬の低水温から身を守るために、魚は本能的に脂肪を厚くまといます。
「豊富な餌」と「寒さ」という条件が重なる南紀だからこそ、脂質15%クラスの化け物アジが育つのです。
市場には出回らない、釣り人だけの最高級食材です。
結論:寒くても堤防に通う価値がある
数値で見れば一目瞭然、尺アジは豆アジの約5倍〜10倍の脂を持っています。
同じ「アジ」という名前でも、食材としてのポテンシャルは天と地ほどの差があります。
狙って釣る価値が十分にあります。
今週末は、脂質15%の「トロアジ」を目指して、南紀の堤防へ出かけてみませんか。
釣太郎では、大型アジに特化した太ハリスのサビキや、カゴ釣り用品を完備してお待ちしています。

