1.アオリイカが本当に好んで食べる魚だから
アオリイカは小魚なら何でも捕まえるわけではなく
「狙いやすくて・栄養価が高くて・動きが読みやすい獲物」を好みます。
その条件にアジがピッタリはまります。
・体高があって肉付きが良く
・一匹捕まえればカロリーが大きい
・群れで行動することが多く見つけやすい
実際
アオリイカの胃の中を調べると
アジ類やイワシ類がかなりの高確率で出てきます。
つまり
「自然界で普段からよく食べている魚」だから
ヤエンのエサにしても違和感なく抱きついてくれる
というわけです。
2.泳ぎ方がヤエン釣り向き
アジの泳ぎ方そのものが
ヤエン釣りに非常に都合が良いです。
・基本は底付近から中層をフラフラと回遊する
・速すぎず遅すぎず「ちょうど良いスピード」で泳ぐ
・弱りかけるとふらふらして「いかにも捕まえやすそうな動き」になる
ヤエン釣りでは
エサのアジに自由に泳いでもらい
それを見つけたアオリイカが抱き付いたところに
ヤエンを滑らせて掛けます。
アジは元気なうちはしっかりと泳いで
広範囲を探ってくれるし
弱ってくると動きが鈍くなって
「今にも捕まえられそうな獲物」に見えるため
アオリイカの本能を強烈に刺激します。
3.生命力が強くて長時間泳いでくれる
ヤエン釣りは
一匹のエサを長時間泳がせる釣りです。
そこで重要なのが
「弱りにくい魚かどうか」です。
アジは
・バケツやイケスに入れても比較的丈夫
・海水の条件が多少悪くてもすぐには死なない
・口掛けや背掛けにしてもある程度は泳ぎ続ける
という特徴があり
他の小魚に比べて生命力が段違いに強いです。
同じ条件で
イワシやキビナゴを使うと
すぐに弱ったり
死んで底に沈んでしまいがちですが
アジなら数時間は普通に泳いでくれることが多いです。
「一晩ヤエンするならアジ」
と言われるのはここが大きいポイントです。
4.体の形が「抱きやすく・掛けやすい」
アオリイカがアジを抱く時
体高のあるアジは
胴体をガッチリと抱きやすい獲物です。
・ほどよい体高があって
・体に厚みがあり
・横から抱いた時にしっかり足場ができる
そのためアオリイカは
胴の真ん中あたりをがっちり抱きます。
これはヤエンを掛ける側から見ると大きなメリットで
・アオリイカが離れにくい
・抱き位置がイメージしやすくヤエンを通しやすい
・ヤエンの爪がイカの足に届きやすい
という形状になっています。
細長い魚や柔らかすぎる魚だと
抱いた位置が安定しにくく
ヤエンを掛けるタイミングも難しくなります。
アジは「抱きやすい」上に「掛けやすい」
ヤエンとの相性が抜群なのです。
5.サイズのバリエーションが豊富で調整しやすい
ヤエンで使うアジのサイズは
・小型アオリ狙いなら10~13センチ前後
・春の大型狙いなら15センチ前後
・ポイントやタックルに合わせて調整
というように
状況に合わせて細かく変えられます。
アジは一年を通してサイズのバリエーションが豊富で
釣具屋やエサ屋でも
「ヤエン用」の規格で揃えてくれているので
狙うイカのサイズに合わせて選びやすいです。
もしこれが別の魚だと
・そもそも安定して入荷しない
・サイズが大き過ぎたり小さ過ぎたりで選べない
といった問題が出てきます。
アジは「欲しいサイズを安定して用意できる」
という点でもヤエンに最適です。
6.流通量が多くコストと供給が安定している
実用面の話も大事です。
・全国的にアジは大衆魚として大量に流通している
・漁港近くなら活きアジ屋や釣具店で常時確保しやすい
・自分でサビキ釣りで確保することも簡単
このおかげで
「ヤエンをやろう」と思った時に
エサを手に入れやすく
数も揃えやすいです。
もしこれがマイナーな魚だったら
・そもそも活きエサとして売っていない
・価格が高くなり過ぎる
・必要な数をそろえにくい
といった問題が出てきます。
手に入りやすく
値段も現実的
ここもアジが選ばれる大きな理由です。
7.他の魚でも釣れるが「トータルでアジに勝てない」
実は
アジ以外でもヤエンのエサにできる魚はあります。
・イワシ
・サバの子
・コノシロ
・小メジナ
・ネンブツダイ
などなど
抱けばイカは食べます。
ただし
・弱りやすい
・すぐ死ぬ
・泳ぎ方が速すぎたり不規則過ぎて扱いにくい
・エサとして手に入りにくい
といった欠点があり
「生命力・泳ぎ方・入手性・価格」
これらを総合すると
どうしてもアジの方が上になります。
その結果
現場で試行錯誤した釣り人たちの中から
「色々使ったけど
結局アジが一番安定する」
という結論になり
今のように
「ヤエンのエサはアジが基本」
という文化が定着していきました。
まとめ
ヤエンのエサがアジである理由をまとめると
・アオリイカが普段からよく食べているターゲット
・泳ぎ方がヤエン釣りにちょうど良くアピール力が高い
・生命力が強く長時間泳いでくれる
・体型が「抱きやすく掛けやすい」形をしている
・サイズを狙いに合わせて選びやすい
・流通量が多く入手しやすくコストも現実的
・他の魚も使えるがトータルバランスでアジが圧勝
という感じになります。
つまり
アジは「アオリイカが好む魚」でもあり
「釣り人にとっても都合がいい魚」でもある
両者の条件を同時に満たした
ヤエン釣り専用と言っていいほど相性抜群のエサ
ということですね。

