アオリイカの墨がなぜヌルヌルして服にこびりつくのか?落ちない理由と成分を釣り人向けに徹底解説

アオリイカ釣りで避けて通れないものが「墨」。

特にヤエン釣りや取り込み時に大量に吐き出され、全身が真っ黒になるケースも珍しくありません。

ただ「黒くて臭くて汚れる」だけでなく、独特のヌルヌル感があり、服や装備品に付くとほぼ落ちません。

では、なぜ墨はここまで強力な汚れとなるのでしょうか?

本記事では、ヌルヌルの正体・滑りの仕組み・粘り気の理由・洗っても残る原因・釣り人が

できる対策まで科学的かつ釣り場目線で徹底解説します。

アオリイカの墨とは何か

イカの墨は「メラニン色素」と「粘液(ムチン)」が混ざった特殊な液体です。

メラニンは紫外線から体を守る色素で、私たち人間の肌や髪にも含まれています。

黒い色の主成分であり、このメラニンが服や手袋に着くと洗濯しても色が残りやすい要因となります。

また、イカは身を守るため逃走時に墨を吐きますが、単なる液体ではなく粘り気のあるゲル状です。

これは“煙幕”だけでなく“触れた相手の視界や動きを奪う目的”も含まれていると研究で明らかになっています。

なぜヌルヌルするのか?滑りの正体

釣り人が「ヌルッ」「ズルッ」と感じる滑りの正体はムチンと呼ばれる多糖類を含んだ粘液。

このムチンは、イカの体表を覆っている保護粘液とほぼ同じ成分です。

水に触れると膨張し、ゼリー状に変化。

墨と混ざることで高い粘着性を持つ“滑り膜”を形成します。

この粘膜が竿・リール・ウェアに付着し乾くと固着し、とても落ちにくくなります。

服に付くとなぜ落ちないのか

・メラニン色素が繊維に入り込む
・ムチンが乾燥し油膜状になる
・水洗いでは溶けない構造になる

この3つが重なることで“洗濯では取れない最強汚れ”に変化します。

特に速乾性ウェアや撥水加工素材は、墨が表面で乾くとコーティング層に染み込み、落とすのがほぼ不可能になります。

また温水使用やこすり洗いによって逆に広がることもあり、釣り人からは「墨が付いた服は終わり」と言われるほどです。

墨によるヌルヌルはなぜ海水で取れにくい?

イカの粘液(ムチン)は海水中では膨張が抑えられますが、波しぶき程度では完全に除去できません。

淡水に触れると粘りが増すため、帰宅後に真水で洗った瞬間により広がることもあります。

つまり「海で墨を浴びたら、帰る前にすぐ洗ってもほぼ無意味」です。

墨汚れを防ぐために釣り人ができる対策

・取り込み時に必ずイカの進行方向を海側へ
・墨を吐かせる前に水面で落とす(ラストラン対策)
・可能なら海上で軽く振って墨抜き
・ウェアは撥水タイプより“黒色の作業服”を選ぶ
・ゴーグルまたは帽子必須
・道具には表面コーティング剤が有効
・取り込み時に海風上に立たない

特にヤエン釣りでは最後の5mが危険ゾーンであり、墨を真正面から浴びる確率が最も高くなります。

墨を浴びた際の最適対処法

・とにかく乾く前に拭き取る
・ペーパータオルより布で吸収
・真水で洗わず海水で軽くすすぐ
・帰宅後、中性洗剤+酸素系漂白剤(黒系ウェアは不可)
・完全には取れない場合がほとんど

※釣り業界では「墨除去スプレー」が市販されていますが、素材によっては変色の恐れあり。

墨のヌルヌルが魚やアジに影響するか?

アオリイカが墨を吐いてもアジへの食いつきには大きな影響はありません。

ただし、墨によって水面が白濁するため、魚影の確認が難しくなることがあります。

また墨が潮流で流れると警戒心の強い魚種(チヌ・グレなど)は離れる傾向があります。

釣り人にとって墨は“避けるより、受け入れるもの”
アオリイカ釣りにおいて墨被弾はほぼ不可避。

特に大型(春イカ3kg級)は吐出量も桁違いで、ヤエン投入後のラストランで爆発するように吐くケースも。

つまり「墨を浴びない=経験不足」「墨をかぶる=一人前」と言われるほど。
慣れた釣り人は対策よりも“黒着用”で挑む人も多く、実は最も賢い選択と言えます。

要約

アオリイカの墨がヌルヌルする理由は、メラニン色素とムチン(粘液)の混合液であるため。

滑りの正体は防御目的で含まれる粘膜であり、水に触れることで増粘し、服や道具に強力に付着する。

・メラニンが繊維に入り込み色素汚れに
・ムチンが乾燥して油膜状に固着
・水洗いで落ちにくくなる構造
この結果、完全除去はほぼ不可能となる。

釣り人は
・黒い服
・帽子・ゴーグル
・取り込み時に海側へ向ける
・墨抜きの工夫
で被害を最小限に抑えることが重要。

アオリイカの墨は、メラニン色素とムチンと呼ばれる粘液が混ざった特殊な成分.釣太郎

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