アオリイカ釣り(ヤエン釣り)で使うヤエン(針金仕掛け)。
一度使うと「翌日には錆びて茶色くなっていた…」「他のヤエンは全然錆びてないのに?」
と感じた経験はありませんか?
実はこの「錆びやすさの違い」は、素材・加工方法・使い方・手入れなど複数の要因が関係しています。
この記事では、釣具店スタッフや実釣データをもとに、「ヤエンが錆びる理由」と
「錆びないヤエンの見分け方」を分かりやすく解説します。
1. ヤエンとは?錆びやすい理由を理解する
ヤエンとは、活アジを泳がせてアオリイカを狙う際、糸に滑らせて投入し、アオリイカの胴体に掛ける金属仕掛けのことです。
このヤエンは主に金属製(鉄またはステンレス)でできており、海水との接触時間が長いことから、
腐食=錆が発生しやすい環境下で使用されます。
特に夜釣りや長時間の待機では、潮水+空気+湿気が重なり、錆が加速しやすくなります。
2. 錆びやすいヤエンの特徴
① 素材が「鉄」または「メッキ鋼」
安価なヤエンの多くは、鉄にメッキ加工を施したタイプです。
外見はピカピカでも、表面が傷つくとすぐに内部の鉄が海水と反応し、赤錆が広がります。
特徴:
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値段が安い(500〜800円程度)
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重さがある(沈みやすい)
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使用後にすぐ赤茶色に変色
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一度錆び始めると止まらない
→ コスパ重視なら良いが、長期使用には不向きです。
② メッキ層が薄い・均一でない
表面をニッケルやクロムでメッキしていても、製造時の品質差によって「メッキムラ」や「ピンホール(微細な穴)」があると、そこから錆が侵入します。
特に低価格帯ヤエンは、メッキ層が薄く、数回の使用で海水が侵入しやすくなります。
③ 使用後のメンテナンス不足
釣行後、海水を洗い流さず放置すると、塩分が金属表面に残留して酸化を促進します。
さらに湿気の多い場所(車内や倉庫)で保管すると、わずかな塩分でも錆が進行します。
3. 錆びにくいヤエンの特徴
① ステンレス製(SUS304・SUS316など)
最も錆びにくいのがステンレス製ヤエンです。
ステンレスは「クロム(Cr)」を10.5%以上含む合金で、表面に不動態被膜(酸化クロム層)を形成し、海水との反応を防ぎます。
特徴:
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錆に非常に強い
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海水釣りでも長持ち
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少し高価(1,000〜1,800円前後)
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軽量タイプも多い
中でもSUS316は「モリブデン(Mo)」を含み、耐食性がさらに向上しているため、海釣り用として最も信頼されています。
② チタンコート・フッ素コート仕上げ
高級ヤエンには、表面にチタン処理やフッ素コーティングが施されているタイプもあります。
これにより、潮水や塩分の付着を防ぎ、錆だけでなく、滑り性能や投入時の通りも向上します。
メリット:
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錆びにくく、摩擦が少ない
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ヤエン投入がスムーズ
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長期保管でも劣化しにくい
③ 溶接部分が丁寧に処理されている
ヤエンの先端・フック部・軸の接合部(溶接跡)は、錆の発生源になりやすいポイントです。
高品質なメーカー品はこの部分が滑らかに研磨・処理されており、塩分が溜まりにくくなっています。
4. 錆を防ぐためのメンテナンス方法
ヤエンは素材が良くても、使い方次第で寿命が大きく変わります。
釣行後は、次のステップを意識することで、錆をほぼ防ぐことができます。
① 真水でしっかり洗う
海水を完全に洗い流すことが最重要。
軽く濯ぐだけでは塩が残るため、数分間水につけ置きするのが効果的です。
② 水分を完全に拭き取る
濡れたまま放置は厳禁。
タオルで拭いた後、日陰で乾燥させるか、ドライヤーで軽く温めるのがおすすめです。
③ 防錆スプレーを軽く塗布
釣具専用の「防錆潤滑剤」や「シリコンスプレー」を薄く吹いて保護膜を作ります。
④ 湿気の少ない場所で保管
特にプラスチックケースに塩分が残っていると、密閉空間で錆が進行するので注意。
通気性の良い布袋やタックルケースが最適です。
5. メーカー品と安物の実例比較
| 項目 | 安価ヤエン(鉄・メッキ) | 高品質ヤエン(ステンレス・コート) |
|---|---|---|
| 材質 | 鉄+メッキ | SUS304・SUS316・チタン |
| 錆びやすさ | 使用翌日に赤錆発生 | 数回使用でも錆ほぼなし |
| 価格 | 約500〜800円 | 約1,000〜2,000円 |
| 手入れ頻度 | 釣行ごとに必要 | 軽い洗浄でOK |
| 耐久性 | 1〜2シーズン | 3〜5年以上使用可 |
→ 釣行頻度が多いアングラーほど、ステンレス製を選ぶ方が長期的に安上がりです。
6. 釣り人におすすめの選び方
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月1〜2回のライトユーザー → メッキ製でも可(都度手入れ必須)
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週1以上の常連釣り師 → ステンレス(SUS304以上)
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潮風に当たる時間が長い磯ヤエン派 → SUS316またはチタンコート
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見た目も重視する人 → ブラックコートタイプ(錆・反射防止)
7. 錆びたヤエンの再生法
錆び始めたヤエンも、完全放置でなければ再生可能です。
対処法:
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酢水またはクエン酸水に数時間浸ける
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錆を落とした後に金属磨き布で軽く研磨
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最後に防錆剤を吹きかける
ただし、深い赤錆が内部まで侵食している場合は交換推奨。
強度が落ちてアオリイカを掛けた際に変形・破損するリスクがあります。
要約
アオリイカ用ヤエンが「錆びやすい」か「錆びにくい」かは、素材・加工・メンテナンスの違いによって決まります。
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錆びやすい → 鉄・薄メッキ・放置
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錆びにくい → ステンレス・チタン・コート加工
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長持ちの秘訣 → 真水洗い+乾燥+防錆スプレー
釣り場で確実にアオリイカを取るためにも、ヤエンは「価格より信頼性」で選ぶのがおすすめです。
FAQ+構造化データ
Q1:ステンレスでも錆びることはある?
→ あります。海水に長時間放置したり、メッキが削れた箇所から局部腐食することがあります。
Q2:ヤエンを洗わず放置した場合、何日で錆びる?
→ 鉄製なら1日、ステンレスでも3日以内に表面変色します。
Q3:防錆スプレーは何が良い?
→ 釣具専用の「シリコンスプレー」「CRC防錆潤滑剤」などがおすすめ。


