釣具屋でリールを買うと、最初から糸が巻かれていることがあります。
しかし、そのラインは多くの場合「安物」。
見た目は同じでも、メーカー品と比べると性能はまるで別物です。
本記事では、原料や製造方法の違いから、強度・耐久性・糸ヨレまでを詳しく解説します。
🧵安物ラインとメーカーラインの根本的な違い
1. 使用している原料の違い
ラインの品質を決める最大要素は「原料の純度」と「分子配列の整合性」。
・安物ラインはコスト重視で、リサイクル樹脂や混合ポリマーを使用することが多い。
・メーカー品は東レ・クレハ・ユニチカなどが開発した高純度ナイロン・フロロ・PEを採用。
そのため同じ太さでも、分子が均一に並んでおり「伸び率・透明度・復元力」が高く、
結果的に強度差は1.3〜1.8倍に。
2. 製造方法の精密さ
ラインの製造では「延伸(引き伸ばし)」と「熱処理」が命です。
・安物は大量生産の簡易工程でムラが多く、断面が楕円形になりやすい。
・メーカー品はコンマ0.01mm単位で均一に引き伸ばし、内部応力を整える。
この工程差によって「真っ直ぐな糸」になるか「ねじれやすい糸」になるかが決まります。
つまり、同じ太さ表記でも実際の直径が違うのです。
💪強度と耐摩耗性の差
ナイロンラインの場合
・安物:紫外線や水分を吸収しやすく、数時間の使用でも劣化が始まる。
・メーカー品:表面コーティングでUVカットや吸水防止処理済み。
結果、耐久時間は約2〜3倍の差が出ます。
フロロカーボンの場合
・安物:硬いだけで脆く、結び目で切れやすい。
・メーカー品:内部までフロロ100%の均質構造。
結束強度が10〜20%高く、岩場や根ズレにも強い。
🌀糸ヨレ・トラブルの発生率
釣り糸の「ヨレ」はキャストや巻き取り時の内部ねじれ抵抗で発生します。
・安物ラインは分子のねじれ方向が不均一で、スプールからの放出時に反発が大きい。
・メーカー品は分子配列が均一なため、トラブルレス性能が高い。
また、安価なラインは表面コートが薄く、摩擦が増えるためスプール上で糸が重なりやすく、
結果的にライントラブル率が約2倍に。
🌊実釣で感じる違い
| 比較項目 | 安物ライン | メーカーライン |
|---|---|---|
| 強度 | 約80% | 100%(基準) |
| 結束強度 | 弱い・ほどけやすい | 高く安定 |
| 糸ヨレ | 多発 | ほぼ無し |
| 感度 | 鈍い | 高感度 |
| 耐摩耗性 | 弱い | 高い |
| 寿命 | 短い(1〜2回釣行) | 長い(5回以上) |
結果として、安物ラインは「安くても短命」。
釣りの最中にラインブレイクを起こせば、エギやルアー、仕掛けを全て失うこともあります。
🧪PEラインの場合
PEは特に差が顕著です。
・安物PE:4本撚りを粗く編み、外皮がざらつく。摩擦係数が高く飛距離が落ちる。
・メーカーPE:8本または12本を高密度で編み、表面を滑らかに仕上げる。
この違いにより、飛距離は最大15〜20%アップ、耐久性は2〜3倍になります。
🧠コスパで考えるとどちらが得か?
一見、安物ラインは「安い」ように見えます。
しかし、劣化が早く数回で巻き替える必要があるため、結果的にコストは高くつきます。
1回500円の安物ラインを3回巻き替える=1500円
1回1500円のメーカーラインを長く使う=実質コスパ同等
さらに、メーカー品なら釣果トラブルも減り、エギ・ルアー・仕掛けの損失も抑えられます。
🧭釣り人へのアドバイス
・初心者ほどライン品質の差が釣果に直結する。
・安物は「練習用」や「短時間釣行用」に限定。
・本格釣りや高価な仕掛けを使うときは、信頼できるメーカー品を選ぶべき。
特にPEラインは「強度」「飛距離」「トラブル率」が釣果を大きく左右します。
釣り糸こそ、ケチらない方が結局安くつきます。
🧩まとめ
・安物ラインは原料・製法・コートが簡易的。
・メーカー品は高純度素材と高精度製法で強度1.5倍以上。
・糸ヨレ・摩耗・寿命・感度など全てに差が出る。
・短期釣行なら安物も可だが、釣果重視ならメーカー品一択。
「見えない部分にこそ差が出る」——ライン選びは釣りの命綱です。
🧩FAQ
Q1:安物ラインでも短時間なら問題ない?
A1:はい、2〜3時間の釣行や練習目的なら十分使えます。長時間使用や磯場では切れやすくなります。
Q2:メーカー品でも劣化しますか?
A2:します。紫外線や海水による劣化は避けられませんが、劣化速度が遅くトラブルが少ないのが特徴です。
Q3:PEラインの編み数は多い方が良い?
A3:はい。8本や12本撚りは滑らかで感度・飛距離ともに優れています。


