【魚の基本】全解説。各ヒレの「名称」と「機能」とは?泳ぐ・止まる・曲がる仕組みが丸わかり。

魚はなぜ、水中で自由自在に泳ぎ回れるのでしょうか。

その秘密は、体の各所にある「ひれ(鰭)」にあります。

釣り人や魚を観察するのが好きな方なら、これらの「ひれ」にそれぞれ明確な「名称」と「機能(役割)」があることを知っておくと、魚の動きがもっと深く理解できます。

この記事では、魚の主要なひれから、ちょっと特殊なひれまで、その名称と驚くべき機能を、徹底的に解説します。

魚のひれ:基本の5大ヒレとは?

多くの魚類には、基本的に5種類のひれが備わっています。

まずは全体像を把握しましょう。

  1. 背ビレ(せびれ) – 背中側にあるひれ
  2. 尾ビレ(おびれ) – しっぽのひれ
  3. 尻ビレ(しりびれ) – お尻(肛門の後ろ)にあるひれ
  4. 胸ビレ(むなびれ) – エラのすぐ後ろ、体の側面にあるひれ
  5. 腹ビレ(はらびれ) – お腹側にあるひれ

これら5つのひれが、まるで飛行機の翼や船の舵のように連動し、複雑な動きを生み出しています。

それぞれの機能を詳しく見ていきましょう。


① 尾ビレ(おびれ)- Caudal Fin

【機能:推進力(エンジン)と舵(かじ)】

魚のひれの中で、最も重要な役割を持つのが「尾ビレ」です。

  • 推進力(エンジン): 尾ビレを左右に強く振ることで、水を後ろに押しやり、その反動で前に進むための「推進力(エンジン)」を生み出します。 船で言えば「スクリュー」の役割です。
  • 舵(かじ): 進む方向を微調整する「舵」の役割も担います。

豆知識:尾ビレの形で泳ぎ方がわかる

  • 三日月型(例:マグロ、カツオ): 水の抵抗が少なく、高速で長距離を泳ぐのに適しています。
  • 扇形(例:カサゴ、メバル): 泳ぐスピードは遅いですが、瞬間的な加速や小回りが得意です。

② 胸ビレ(むなびれ)- Pectoral Fin

【機能:ブレーキ、方向転換、姿勢制御】

人間でいう「手」や「腕」に例えられることが多い、非常に器用なひれです。

  • ブレーキ: 泳いでいる最中に両側の胸ビレを広げることで、水の抵抗を増やし「ブレーキ」をかける役割があります。
  • 方向転換(舵): 片方の胸ビレだけを動かしたり、角度を変えたりすることで、左右への「方向転換」や「旋回」を行います。
  • 姿勢制御(ホバリング): 胸ビレを細かく動かすことで、水中で停止(ホバリング)したり、ゆっくりと後退したりすることも可能です。
  • 特殊な進化: トビウオはこの胸ビレが巨大化し、滑空に使います。 ホウボウは胸ビレの一部を使って海底を歩き回ります。

③ 腹ビレ(はらびれ)- Pelvic Fin

【機能:バランス(安定板)と補助】

人間でいう「足」にあたる位置にありますが、役割は全く違います。

「腹ビレ」は、胸ビレの真下あたりにある魚(スズキなど)と、お腹の後方にある魚(コイなど)がいます。

  • バランス(スタビライザー): 主な役割は「バランス」です。 船の「キール(竜骨)」や飛行機の「補助翼」のように、泳いでいる時に体が左右に傾いたり、上下にふらついたりするのを防ぐ「安定板(スタビライザー)」として機能します。
  • ブレーキの補助: 胸ビレと同時に広げることで、ブレーキの補助も行います。

④ 背ビレ(せびれ)- Dorsal Fin

【機能:直進安定性(横倒れ防止)】

背中にあるひれで、魚のシルエットを特徴づける重要なパーツです。

  • 直進安定性(キール): 最大の役割は、船の「キール(竜骨)」やサーフボードの「フィン」と同じです。 水中で体が横に倒れたり(ロール)、ふらついたりするのを防ぎ、まっすぐ泳ぐための「安定性」を保ちます。
  • 威嚇(いかく): マダイやメバルなどが背ビレをピンと立てるのは、体を大きく見せて相手を「威嚇」する時にも使われます。

豆知識:背ビレが2枚ある魚 スズキ、マダイ、ハゼ、カサゴなどは、背ビレが2枚(または一つの長い背ビレがくびれている)あります。

前方にある方を「第1背ビレ」、後方を「第2背ビレ」と呼びます。

第1背ビレは硬いトゲ(棘条)でできていて体を守る役割、第2背ビレは柔らかい(軟条)でできていて泳ぎの補助をする役割、と機能分担していることが多いです。

⑤ 尻ビレ(しりびれ)- Anal Fin

【機能:直進安定性(後方)】

肛門の後ろ、お腹側にあるひれです。

  • 直進安定性(後方): 役割は「背ビレ」とほぼ同じです。 背ビレと尻ビレが上下セットになることで、特に体の後半部分がふらつくのを防ぎ、泳ぎを安定させています。

【番外編】脂ビレ(あぶらびれ)とは?

サケ、マス、アユ、ワカサギなどの魚には、背ビレと尾ビレの中間に、もう一つ小さなひれがあります。 これは「脂ビレ(あぶらびれ)」と呼ばれる特殊なひれです。

  • 機能: このひれには骨(鰭条)がなく、脂肪でできているためこの名前がつきました。 長い間「何の役にも立っていない(退化した痕跡)」と考えられていましたが、近年の研究では、内部に神経が通っており**「水流を感知するセンサー」**のような役割があるのではないか、と言われています。 謎多きロマンのあるひれです。

まとめ:ひれは魚の「精密機械」

最後に、各ひれの機能を乗り物に例えてまとめます。

  • 尾ビレ = エンジン / スクリュー(推進力)
  • 胸ビレ = ブレーキ / 舵 / サイドスラスター(停止・旋回・微調整)
  • 腹ビレ = スタビライザー / 補助翼(傾き防止)
  • 背ビレ = キール / センターフィン(横倒れ防止・直進)
  • 尻ビレ = キール(後方)(横倒れ防止・直進)

魚はこれらの「ひれ」という名の精密機械を、脳で瞬時にコントロールし、連動させることで、水中を自由自在に泳ぎ回っています。

釣りの際などに魚のひれの動きを観察すると、「今から止まろうとしているな」

「向きを変えようとしているな」と、次の行動が予測できるかもしれません。

ひれは魚の「精密機械」。尾ビレ =推進力、胸ビレ =停止・旋回・微調整。腹ビレ =傾き防止。背ビレ = 横倒れ防止・直進。尻ビレ =横倒れ防止・直進。釣太郎

 

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