南紀地方の冬といえば、「北西風」が代名詞です。
釣り人なら誰もが経験するこの風は、単なる“寒風”ではなく、海の中の環境を大きく変える主役でもあります。
この記事では、
・北西風が吹くと海の中で何が起こるのか
・アオリイカやグレにどんな影響が出るのか
・釣り人が取るべき行動や狙い方
北西風が吹くと海の中で起こる変化
海面が冷やされ、水温が急降下する
北西風は陸から吹く乾燥した冷たい風。
これが数日続くと、海面が急速に冷やされ、表層水温が1〜3℃下がることもあります。
さらに、風による波や攪拌(かくはん)で、
表層の冷たい水が底層まで混ざり、海全体が冷たくなります。
→ この“冷却と混合”が、冬の釣果に直結する最大要因です。
濁りと酸素量の変化
北西風が強いと波が立ち、砂や泥が舞い上がります。
特に遠浅の砂浜や漁港内では**白濁り(にごり潮)**になりやすく、
視界が悪くなることで魚の警戒心は一時的に下がります。
また、風による表層の攪拌で酸素が多く溶け込み、
溶存酸素量(DO値)が上昇します。
これは魚にとって“呼吸しやすい”環境になるため、
活性が一時的に上がることもあります。
風通過後の「澄み潮」期間
北西風がやんでから1〜2日後、海は一転して澄み潮になります。
冷たい水と暖かい黒潮系の潮が入れ替わり、
水質が安定して透明度が高くなるのが特徴です。
このタイミングは、魚が底に沈む or クリアウォーターで見切られるため、釣り方の工夫が必要です。
アオリイカへの影響
水温が下がると浅場から姿を消す
アオリイカは水温15〜16℃を下回ると極端に動きが鈍くなります。
北西風で表層が冷やされると、
・浅場にいた個体は沖の深場(10〜30m)へ移動
・夜間の回遊も減少
・活アジを追わず、底付近でじっとする
といった行動が見られます。
そのため、冬のヤエンやウキ釣りは深場狙いが基本。
風通過直後よりも1〜2日後の落ち着いたタイミングがチャンスです。
風裏の湾内や漁港が狙い目
北西風の強風下では、アオリイカのエサとなるアジも沖へ逃げます。
そのため、堺漁港・笠甫漁港・名切崎など、
風が遮られる湾奥部ではベイトが溜まり、
アオリイカが残っているケースが多いです。
風裏でじっくりヤエンやウキ釣りを展開するのが得策です。
グレ(メジナ)への影響
北西風で活性が上がることも
意外にも、グレ(メジナ)は北西風に強い魚です。
風による波立ちがプランクトンやエサを巻き上げ、
エサが流れる=グレの捕食スイッチが入るという好循環が生まれます。
特に、
・風速6〜8m
・波が適度に立ち、サラシが広がるタイミング
は“グレ釣り日和”と呼ばれるほどの好条件です。
ただし冷え込みすぎると沈む
しかし、風が長く続きすぎて水温が急激に下がると、
グレは磯際から離れて深場(5〜10m)へ沈みます。
このときは、
・仕掛けを重くしてタナを深く取る
・マキエを集中的に打つ
・エサ取りが少ない時間帯(早朝)を狙う
といった調整が有効です。
風通過後の“回復タイミング”を見極めよう
北西風が吹いた直後は、海が荒れて魚も散ります。
しかし、風が弱まり波が落ち着いた翌日〜2日後には、
澄み潮とともに魚が再び動き始めます。
このタイミングこそ、アオリイカ・グレどちらも“釣果復活期”です。
釣太郎が蓄積しているデータでも、
「風通過翌日よりも2日目の釣果が1.5倍に上がる」傾向があります。
釣り人が取るべきアプローチまとめ
| 状況 | 海の状態 | 狙い方のポイント |
|---|---|---|
| 北西風が吹き始めた | 水温低下・濁り発生 | グレの活性UP、浅場中心 |
| 吹き続いた数日後 | 底冷え・ベイト散る | 深場のアオリイカ狙いへ |
| 風が収まった直後 | 澄み潮・安定期 | グレ・アオリイカどちらも好機 |
要約
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北西風は海面を冷やし、海中を攪拌する“自然のミキサー”
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水温低下でアオリイカは深場へ移動
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グレは一時的に活性が上がるが、冷えすぎると沈む
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風裏・湾奥での釣行が安全かつ有利
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釣果が戻るのは「風がやんで1〜2日後」
FAQ
Q1:北西風が強いとき、釣りは中止すべき?
A1:風速8m以上なら安全のため中止推奨。堤防でも波しぶきや落水リスクがあります。
Q2:北西風の後、アオリイカは何日で戻る?
A2:通常は2〜3日後に再び接岸。水温が安定すれば活性も回復します。


