「やった!大物が釣れた!」
その喜びも束の間、クーラーボックスでしっかり冷やして持ち帰るのが釣り人の大事な仕事です。
しかし、その冷やし方、本当に合っていますか?
釣った魚をそのまま氷の上に置いているなら、せっかくの魚の価値を下げてしまっているかもしれません。
今回は、なぜ魚を氷に直接当ててはいけないのか、その最大の理由である**「氷焼け」について、そして動画で見た「プロの鮮度保持テクニック」**を徹底解説します。
氷を魚に「直接」当ててはいけない最大の理由
結論から言うと、**「真水(まみず)の氷」を魚に直接当てると「氷焼け」**という現象が起き、魚の味が劇的に落ちてしまうからです。
動画では、魚やイカが氷の上に置かれていますが、必ず1枚のビニールシートで仕切られています。これがプロの技であり、氷焼けを防ぐための重要なポイントです。
1. 氷焼けの正体:「浸透圧(しんとうあつ)」によるダメージ
氷焼けと聞くと、「凍ってしまうこと?」と思うかもしれませんが、本質は少し違います。
- 海の魚:体内の塩分濃度は、海水よりも低く保たれています。
- 真水の氷:氷が溶けると、もちろん「真水」になります。
魚(塩分を含む)が真水(塩分ゼロ)に直接触れると、**「浸透圧」**の原理が働きます。 簡単に言えば、魚の細胞が真水を吸い込もうとして、細胞壁が破壊されてしまうのです。
浸透圧によるダメージの結果
- 細胞が壊れ、ドリップ(旨味成分や水分)が流れ出る。
- 身が水っぽくなり、ブヨブヨとした食感になる。
- 魚本来の旨味が失われる。
動画にあったアオリイカなども同様です。
イカは特に真水に弱く、直接当てると透明感が失われ、白くふやけたようになってしまいます。
2. 物理的なダメージと変色
硬い氷の角が、魚のデリケートな皮や身を傷つけ、そこから雑菌が入りやすくなったり、見た目が悪くなったりします。
また、氷に触れた部分だけが極端に冷やされて変色(色あせ)を起こすことも、価値を下げる原因となります。
動画で見た「プロの技」:ビニール1枚で全て解決
では、どうすれば良いのでしょうか。答えは動画の中にありました。
「氷と魚の間に、ビニールシート1枚を敷く」
たったこれだけです。
- クーラーボックスの底に、まず氷を敷き詰めます。
- その上に、大きなビニール袋やシートを1枚広げます。
- ビニールシートの上に、魚を並べていきます。
- (魚が多い場合)魚の上からさらにビニールシートをかけ、その上に氷を乗せる「サンドイッチ」状態にします。
これにより、魚は氷の冷気だけで効率よく冷やされますが、溶け出した「真水」には一切触れません。
これが、市場や漁師が実践する、最もシンプルで効果的な鮮度保持術です。
💡アングラー向け・応用テクニック クーラーボックスの底に「すのこ(スノコ)」を敷くのも非常に有効です。
溶けた水が魚に触れないように、物理的に分離することができます。ビニールとの併用もおすすめです。
最強の鮮度保持!「海水氷(かいすいごおり)」がベストな理由
動画のタイトルにもありましたが、もし「最強」を目指すなら、**「海水氷」**を使うのがベストです。
海水氷とは、その名の通り「海水」で作った氷のことです。
なぜ海水氷が最強なのか?
- 浸透圧の問題がゼロ 溶けても「海水」なので、魚が元々いた環境と同じです。浸透圧による細胞破壊が一切起こらず、旨味が流出しません。
- 真水より低温で冷やせる(氷点降下) 海水は真水(0℃)と違い、約-1.8℃まで凍りません。 つまり、海水氷を使えば、魚を**「凍る寸前のギリギリの温度(氷温)」**でキープすることができます。これが鮮度保持における理想の温度帯です。
漁港や釣具店で販売されている「漁師の氷」などがこれにあたります。
もし手に入る環境であれば、迷わず海水氷を選びましょう。
まとめ:最高の状態で持ち帰るために
せっかく釣った貴重な命を、最高の状態で味わうために。今日から「ひと手間」を加えてみませんか。
- 基本:氷と魚の間にビニールシートを1枚敷く。
- 理想:海水氷を手に入れ、それを使って冷やす。
このどちらかを実践するだけで、持ち帰った魚の味は劇的に変わります。
「氷焼け」を防ぎ、プロの技で最高の鮮度をキープしましょう。


