タコの足は8本。
これは誰もが知っています。
では、**イカの足は何本?**と聞かれたら、
あなたはすぐに答えられるでしょうか。
実はイカの「足」は、厳密には“足”ではありません。
さらに、イカの足のように見える部分には、
「触腕(しょくわん)」と「触手(しょくしゅ)」という
異なる名前と役割があるのです。
今回はこの誤解されやすいポイントを、
Q&A形式でわかりやすく解説します。
Q1:イカの足は何本あるの?
A:10本です。
ただし、正確に言うと「足」ではなく「腕」。
イカには8本の「腕」と、
さらに長い2本の「触腕(しょくわん)」があります。
この2本の触腕を加えて合計10本。
つまり「10本の腕を持つ生き物」なのです。
Q2:じゃあ、タコとどう違うの?
A:タコは“8本の腕”だけ。イカは“8本の腕+2本の触腕”。
タコの腕はすべて同じ長さで、吸盤がびっしりと並んでいます。
一方、イカは捕食のために特化した2本の長い「触腕」を持っており、
それが大きな違いです。
釣りで使うエギ(餌木)に飛びつくのも、
この長い2本の触腕が主役なのです。
Q3:触腕(しょくわん)と触手(しょくしゅ)は違うの?
A:はい、意味が全く違います。
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触腕(しょくわん):イカやタコの“本来の腕”。筋肉の塊で自由に動かせる。
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触手(しょくしゅ):他の動物(クラゲ・ヒトデなど)が持つ“感覚器官”。物をつかむ力はない。
つまり、イカの“長い2本”は触手ではなく、**触腕(触る腕)**が正解。
釣り人の間でも誤用されがちですが、
「触手」と言うのは実は間違いなのです。
Q4:その2本の触腕は何のためにあるの?
A:獲物を一瞬で捕らえるための“銛(もり)”のような武器”です。
アオリイカなどは、狙いを定めると体を静止させ、
この2本の触腕を「シュッ!」と射出してエサを捕まえます。
触腕の先端には吸盤とトゲが並び、
一度捕まえた獲物は逃げられません。
Q5:では残りの8本は何をしている?
A:主に獲物を押さえ込んだり、口(クチバシ)へ運ぶ役割です。
8本の腕は、短くて太い構造。
獲物をがっちり掴んだり、泳ぐ姿勢を安定させたりするのに使われます。
つまり、イカは**「長い2本で捕らえ、短い8本で押さえ込む」**という連携プレーで生きています。
Q6:アオリイカの場合も同じ?
A:はい。アオリイカも“10本の腕+触腕”構造です。
特にアオリイカの触腕は非常に発達しており、
エサを狙うときにまっすぐ前に伸ばすのが特徴。
このとき、体をわずかに反らせて構える姿は、
まるで狙撃手のような集中力。
アオリイカ釣りで「イカパンチ」と呼ばれる攻撃も、
触腕を伸ばす瞬間に起きる現象です。
Q7:イカはどのくらい触腕を伸ばせるの?
A:体長の2〜3倍まで伸ばせます。
大型のアオリイカでは、触腕を完全に伸ばすと60cm以上。
そのスピードはわずか0.2秒以下。
つまり、人間がまばたきするよりも速く獲物を捕らえているのです。
Q8:なぜ「足」と呼ばれるようになったの?
A:昔の名残りです。
古代ギリシャ語で「頭足類(Cephalopoda)」と呼ばれており、
「頭(セファロ)」+「足(ポダ)」という意味。
頭から直接“足が生えている”ように見えることから、
「イカの足」と表現されるようになりました。
実際には「腕」なのですが、
長い間の慣用表現として「イカの足」が定着したのです。
まとめ
| 分類 | 本数 | 名称 | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| イカ | 8本 | 腕 | 獲物を保持・姿勢維持 |
| イカ | 2本 | 触腕 | 獲物を捕らえる(射出) |
| タコ | 8本 | 腕 | 捕食・移動・保持 |
| クラゲなど | 多数 | 触手 | 感覚・捕食補助(粘液など) |
つまり──
イカの足=腕、長い2本=触腕。
正しく理解すれば、釣りの観察眼も一段と鋭くなります。
FAQ
Q1:イカの「足」と「腕」、どちらの言い方が正しい?
A1:生物学的には「腕」が正解です。ただし一般的には「足」でも通じます。
Q2:触腕は再生する?
A2:はい。ダメージを受けても時間をかけて再生しますが、完全には元通りにならないこともあります。
Q3:釣り上げたイカの触腕が切れていたらどうする?
A3:自然な現象なので問題ありません。アタック時に岩やエギに絡んで切れることもあります。


