「あれ? さっきの場所より水温が低いな」 「こっちのワンドだけ、やけに水が温かい」
釣りや海水浴などで、ほんの数百メートル、時には数メートルしか離れていないのに、海水温が微妙に(時には大きく)違うと感じたことはありませんか?
海はすべて繋がっているのに、不思議ですよね。
実は、海水温は非常にデリケートで、様々な要因によって「まだら模様」のように変化しています。
今回は、AIが**「距離が近いのに海水温が違う」主な理由**を5つに絞って解説します。
理由1:潮の流れ(海流・潮流)
最も大きな要因の一つが「潮の流れ」です。
- 本流と反転流: 沖合を流れる黒潮のような大きな「本流(暖流)」が沿岸に近づくと、その流れが地形にぶつかって複雑な「反転流」や「渦」を作ります。暖かい本流が直接当たる場所と、その影になって冷たい水が湧き上がる場所とでは、水温が大きく異なります。
- 潮の満ち引き: 潮が満ちてくる時(上げ潮)は沖の海水が、引いていく時(下げ潮)は沿岸の海水が移動します。これにより、沖の温かい(または冷たい)水が沿岸に流れ込んだり、逆に出ていったりすることで水温が変動します。
理由2:海底の地形
水深も水温に大きく影響します。
- カケアガリと浅瀬(シャロー): 太陽光は海の表層を温めます。水深が浅い場所(シャローエリア)は、温められる水の総量が少ないため、日中は急速に水温が上がります。逆に、カケアガリなどで急に深くなっている場所は、冷たい底の水が混ざりやすいため、表層水温が低めになることがあります。
- 「湧昇流(ゆうしょうりゅう)」: 沖からの風が表層の温かい水を沖へ押しやると、それを補うために海底から冷たい水(栄養豊富)が湧き上がってくることがあります。これは「湧昇流」と呼ばれ、局所的に水温を急低下させます。
理由3:河川や湧き水の流入
陸からの「真水」の流入は、水温を直接変化させます。
- 河川: 大きな川が流れ込む場所では、季節によって水温が変わります。夏は川の水が海水より温かいこともありますが、冬や雪解け水が流れ込む時期は、川の水が海水を急激に冷やします。
- 湧き水: 目には見えにくいですが、海底や岸壁から「湧き水(真水)」が出ている場所があります。湧き水は年間を通して水温が安定している(通常、海水より冷たい)ため、その周辺だけ水温が低くなります。
理由4:日照と風の影響
その場所の「天気」も水温差を生みます。
- 日照: ワンド(入り江)状になっていて水が滞留しやすい場所は、日中、太陽光によって「お風呂」のように温められやすくなります。逆に、日陰になる時間が長い場所は温まりにくいです。
- 風: 風は表層の水をかき混ぜます。風が強く当たる場所は、表層の温かい水と下の冷たい水が混ざりやすくなります。また、風が表層の温かい水を風下に押しやるため、風上側と風下側で水温が変わることもあります。
理由5:水の色(濁り)
意外かもしれませんが、「水の透明度」も関係します。
- 濁り: 雨後などで濁りが入ると、水中の浮遊物が太陽光の熱を吸収しやすくなります。そのため、透明度が高い(澄んでいる)場所よりも、濁っている場所の方が表層水温が上がりやすい傾向があります。
🧐 まとめ:海水温は「海の表情」そのもの
このように、海水温は「潮の流れ」「地形」「真水の流入」「日照・風」「濁り」といった多くの要因が複雑に絡み合って決まります。
ほんの少し場所が違うだけで水温が変わるのは、これらの条件が少しずつ違うからです。
特に釣り人にとって、このわずかな水温差が魚の居場所を左右する重要なヒントになります。
「なぜここは水温が違うのか?」と考えることは、海の状況を深く理解する第一歩と言えるでしょう。


