タチウオの骨は他の魚と構造が異なります。
最大の特徴は「骨の柔らかさ」と「主上骨(しゅじょうこつ)」の存在。
釣り人が知っておくと役立つ太刀魚の骨の秘密をわかりやすく解説します。
最初に
タチウオ(太刀魚)はその名の通り、刀のように細長く光り輝く魚。
見た目が印象的なだけでなく、骨の構造にも他の魚とは違う“独特の特徴”があります。
一般的な魚は骨が硬く、身と骨が明確に分かれていますが、タチウオは骨が柔らかく、調理方法によっては“骨ごと食べられる”ほどです。
この記事では、タチウオの骨の柔らかさの理由と、「主上骨(しゅじょうこつ)」という特殊な骨構造について詳しく解説します。
タチウオの骨は柔らかい?
驚くほどしなやかな骨
タチウオの骨は非常に柔らかく、指で押すと少したわむほどです。
これは、タチウオの生活環境と泳ぎ方に深く関係しています。
タチウオは海底付近ではなく、中層〜表層をゆったりと泳ぐ魚。
急なターンや瞬発的な動きをするために、骨格が「しなやかに曲がる構造」になっているのです。
骨が軽く、体が浮きやすい構造
タチウオには「浮き袋(うきぶくろ)」がありません。
その代わり、骨自体が軽く柔らかいことで浮力を補っています。
この“軽量骨格”が、水中での安定性とスピードを両立させているのです。
主上骨(しゅじょうこつ)とは?
タチウオ特有の骨構造
タチウオの骨の中で特に特徴的なのが「主上骨(しゅじょうこつ)」と呼ばれる部分です。
これは、背中側に沿って伸びる太い主骨で、まるで“背骨を支える柱”のような役割を果たしています。
一般的な魚は脊椎骨(せきついこつ)が中心となり、そこから肋骨が左右に伸びていますが、タチウオはこの主上骨が背中側に張り出しているため、体の形が扁平(へんぺい)になっています。
細長い体を支えるための工夫
タチウオの体は非常に細長く、しかも背中がわずかに反っています。
もし他の魚と同じような骨構造なら、泳いでいるうちに体が折れやすくなってしまいます。
主上骨は、この長い体を“板のように支える役割”を持っており、まさにタチウオの姿を成立させている重要な骨なのです。
骨の柔らかさと主上骨の関係
柔らかいだけでは体を支えきれません。
そこで、タチウオは「しなる骨」と「太い主上骨」の2つを使い分けています。
・背中側:主上骨が体の強度を維持
・胴体部分:柔らかい骨で可動性を確保
このバランスによって、細長いのに折れず、滑るように泳ぐことができるのです。
また、夜行性のタチウオは水中で縦泳ぎをする習性があり、主上骨はその体勢を安定させる軸にもなっています。
食べる際の影響
背越し(セゴシ)に適する理由
タチウオの骨が柔らかいのは、調理面でも大きな利点です。
小型個体であれば、骨ごと薄く切って食べる「背越し(セゴシ)」が可能です。
主上骨も柔らかいため、口当たりが良く、骨が気になりません。
一方で、大型になると主上骨が太くなり、骨の存在感が増すため、刺身や塩焼きの方が向いています。
骨の柔らかさ=鮮度のバロメーター
タチウオは死後、時間が経つと骨が急速に硬くなります。
つまり、骨がまだしなるうちは“釣りたての新鮮な証拠”。
背越しにするなら、釣り上げてから数時間以内が理想です。
他の魚との違い
| 魚種 | 骨の特徴 | 主上骨の有無 | 背越し適性 |
|---|---|---|---|
| タチウオ | 柔らかく軽い | あり | ◎(小型のみ) |
| アジ | 硬く細い | なし | △ |
| イサキ | やや硬い | なし | ○(中型まで) |
| カマス | 柔らかめ | なし | ○ |
タチウオだけが“骨を支える主上骨”を持ち、骨そのものが柔軟で軽いという特徴を併せ持っています。
まとめ
タチウオの骨は、他の魚にはない独特な構造をしています。
最大の特徴は
・骨の柔らかさ
・主上骨(しゅじょうこつ)の存在
この2つの組み合わせが、タチウオの細長く美しい体を作り出しているのです。
釣り人にとっても、この骨の特性を知っておくことで、調理法の選択や鮮度判断に役立ちます。
要約
タチウオは「骨が柔らかい」「主上骨がある」という2つの特徴を持つ魚。
軽くしなやかな骨格によって、細長い体を保ちつつ水中で自在に泳ぐことができる。
主上骨はタチウオの背中側を支える大黒柱であり、この構造が「太刀」のような姿を作り出している。


