タチウオの定番料理「背越し(セゴシ)」は、骨ごと食べられる贅沢な一品。
名前の由来や正しい切り方、失敗しないコツを釣り人目線で徹底解説します。
最初に
タチウオ(太刀魚)は銀色に輝く細長い体が特徴で、見た目の美しさから「海の刀」とも呼ばれます。
そんなタチウオの身を、骨ごと薄く切って味わうのが「背越し(セゴシ)」です。
骨の硬い魚ではできない特別な食べ方で、淡白なタチウオの旨味と歯ごたえを同時に楽しめます。
この記事では、背越しという名前の由来と、家庭でもできる作り方を分かりやすく解説します。
背越し(セゴシ)という名前の由来
「背を越す」から生まれた言葉
背越しという名前は、「背を越して切る」ことに由来します。
つまり、魚の背骨を“越えて”包丁を入れることから「背越し」と呼ばれるようになりました。
普通の刺身は背骨を避けて三枚おろしにしますが、背越しはあえて骨ごと切るのが特徴です。
この“背を越す”動作そのものが語源となり、やがて料理名として定着しました。
古くからある関西の料理文化
背越しは関西や瀬戸内地方で古くから親しまれている調理法で、アユやコノシロ、サヨリなど小骨が細い魚にも用いられます。
タチウオの場合、身が柔らかく骨も細いため、適度に薄く切ることで骨をほとんど気にせず食べられるのが魅力です。
タチウオの背越しの作り方
1. 新鮮なタチウオを選ぶ
まず最も大事なのは鮮度です。
釣った直後のタチウオを氷締めにして持ち帰るのが理想。
身が柔らかく崩れやすいため、「海水氷」で冷やすと水っぽくならず、鮮度が保てます。
真水氷は身が白く濁る原因になるので避けましょう。
2. 鱗を落とし、頭と内臓を取る
タチウオは細かいウロコが皮に密着しているため、包丁の背で軽くこすって取ります。
その後、腹を開いて内臓をきれいに除去し、水分をしっかり拭き取ります。
3. 三枚おろしにせず、筒切りにする
背越しは「骨ごと切る」料理なので、三枚おろしにはしません。
包丁を斜めに入れて、背骨を断ち切るように薄くスライスします。
厚さは2〜3ミリが理想です。
厚すぎると骨が当たるため、包丁の切れ味が重要になります。
4. 盛り付け
切り終えたら、皮の銀色が映えるように並べます。
ポン酢や酢味噌を添えると、タチウオの脂とさっぱりした酸味がよく合います。
薬味にはネギ、ショウガ、大葉が定番です。
背越しの美味しさの秘密
タチウオの身は弾力がありながらも繊維が細かく、骨ごと食べても口に残りにくいのが特徴です。
また、皮目の脂には旨味成分が多く含まれており、骨を残したまま切ることで旨味が逃げません。
新鮮なうちは甘味があり、日が経つとすぐに柔らかくなるため、「釣ってすぐ調理」が最も美味しいタイミングです。
注意点
・骨が太い個体や大型のタチウオは、背越しに向きません。
・必ず包丁をよく研いで、滑るように薄く切ることが大切です。
・冷やしすぎると身が締まりすぎて切りにくくなるため、常温に少し戻してから作業するときれいに切れます。
まとめ
タチウオの背越し(セゴシ)は、「背を越して切る」という言葉が語源の日本伝統料理です。
骨ごと薄く切ることで、タチウオの旨味と歯ごたえを同時に味わうことができます。
新鮮な魚を選び、包丁をよく研ぎ、薄く丁寧に切る――この3つのコツを守れば、家庭でも料亭の味が再現できます。
要約
背越しとは、「背骨を越して切る」ことから生まれた言葉。
タチウオのように骨が細く身が柔らかい魚に適しており、新鮮なうちに薄く切って食べるのがポイント。
海水氷で冷やして鮮度を保つことで、旨味と歯ごたえが際立ちます。


