釣り人にも食通にも愛されるタチウオ。
その輝く銀色の魚体は、塩焼きや天ぷらなど、様々な料理で私たちを楽しませてくれます。
しかし、新鮮なタチウオの食べ方として「セゴシ」という調理法を耳にしたことはありませんか。
「お刺身とはどう違うの?」
「なぜタチウオはセゴシで食べることが多いの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いはずです。
この記事では、タチウオのセゴシがなぜこれほどまでに人気なのか、その3つの大きな理由と、
お刺身にはない独特の魅力について徹底解説します。
そもそも「セゴシ(背越し)」とは?
セゴシとは、アジやアユなど比較的小ぶりで骨が柔らかい魚に使われる調理法です。
三枚におろすのではなく、ウロコや内臓を取り除いた後、中骨ごと薄く切って食べるのが特徴。
骨ごと断ち切るため、独特の食感と、骨の周りにある濃厚な旨味を丸ごと味わうことができる、
まさに”通”の食べ方です。
タチウオがセゴシで食べられる3つの理由
では、なぜタチウオはセゴシで食べられることが多いのでしょうか。
それには、タチウオの魚としての特徴が深く関係しています。
理由1:厄介な「小骨」が「食感」に変わるから
タチウオは三枚におろすこと自体は難しくありませんが、身の中に細くて柔らかい小骨が無数にあります。
これをお刺身のためにすべて骨抜きで取り除くのは、非常に手間がかかる作業です。
しかし、セゴシにすることで、この小骨が逆に「コリコリ」「シャキシャキ」とした
心地よい食感のアクセントに変わります。
厄介者だった小骨が、料理の長所になる。 これがタチウオをセゴシにする最大の理由です。
理由2:身と骨から「旨味と甘み」が溢れ出すから
魚の旨味は、実は骨の周りに強くあります。
セゴシは骨ごと細かく叩くように切るため、身だけを食べるお刺身に比べて、
骨から滲み出る濃厚な旨味も一緒に味わうことができます。
また、タチウ-オの身は上品な甘みを持つ一方で、やや水分が多く柔らかいのが特徴。
細かく切ることで身が締まり、タチウオ本来の甘みがより一層引き立ちます。
理由3:「鮮度の証」だから
骨ごと生で食べるセゴシは、本当に新鮮な魚でしか作れない、贅沢な漁師料理のようなものです。
少しでも鮮度が落ちると、骨の周りから生臭さが出てしまい、美味しさが半減してしまいます。
つまり、「タチウオのセゴシ」がメニューにあるということは、そのお店や家庭で扱っている
タチウオが「最高に新鮮である」ことの何よりの証明なのです。
おすすめの食べ方
タチウオのセゴシは、醤油とわさびでシンプルにいただくのも美味しいですが、
一番のおすすめはポン酢です。
刻んだ青ネギやミョウガ、すりおろした生姜などの薬味をたっぷり添えてみてください。
ポン酢のさやかな酸味がタチウオの脂の甘みを引き締め、薬味の風味が爽やかさをプラスして、
いくらでも食べられる美味しさになります。
まとめ:タチウオの魅力を最大限に引き出す食べ方、それがセゴシ
タチウオがセゴシでよく食べられる理由は、
- 無数の小骨を、むしろ食感の魅力に変えられる
- 骨周りの濃厚な旨味も丸ごと味わえる
- 鮮度が良いからこそできる贅沢な食べ方である という3点に集約されます。
もし新鮮なタチウオを手に入れる機会があれば、ぜひ次はお刺身だけでなく「セゴシ」に
挑戦してみてください。
きっとその独特の食感と、口の中に広がる深い旨味の虜になるはずです。


