【エギの進化】なぜ昔のカンナは半円だった?根掛かり対策よりフッキング率を重視する現代の理由

エギングを楽しんでいる皆さん、手元のエギのカンナ(針)をじっくりと見たことはありますか?

今では当たり前となった、上下二段に針がびっしりと並んだ「全円」のカンナ。

しかし、ほんの十数年前まで、カンナの形状は今とは全く違うものが主流でした。

それが、下半分の針がない「半円」のカンナです。

なぜ昔のエギは根掛かりしにくい半円カンナを採用していたのか?

そして、なぜ現代のエギは根掛かりのリスクを負ってまで全円カンナになったのか?

その背景には、エギングという釣りの劇的な進化と、釣果を追い求めるアングラーの思想の変化がありました。

昔の主流「半円カンナ」― 最大の武器は根掛かり回避

かつて主流だった半円カンナは、その名の通り、針が上半分にしか付いていませんでした。

  • メリット:圧倒的な根掛かり回避性能 最大の利点は、ボトム(海底)との接触面に針がないことによる根掛かりのしにくさです。岩場や藻場をタイトに攻めても、針が引っかかりにくいため、ロストを恐れず大胆な攻めが可能でした。
  • デメリット:フッキング率の低さとバラしやすさ 一方で、大きな欠点もありました。アオリイカがエギを抱きに来る角度は様々です。特に下から抱きついた場合、針のない下半分に触腕が触れてしまい、うまくフッキングしない「アワセ抜け」が多発しました。また、掛かっても針の本数が少ないため、力が集中してイカの身が切れてしまう「身切れ」によるバラシも多かったのです。

現代の常識「全円カンナ」― 釣果を最優先した結論

現在、ほぼ全てのエギに採用されているのが、針が360°付いている全円カンナです。

  • メリット:抜群のフッキング性能 アオリイカがどの角度から抱きに来ても、必ず針が体に触れるため、フッキング率が劇的に向上しました。また、多くの針に力が分散されることで、身切れが起こりにくく、一度掛かったイカをバラす確率も格段に低減しました。
  • デメリット:根掛かりのリスク 当然のトレードオフとして、下向きの針があるため根掛かりのリスクは高まります。ボトムを攻める際には、より繊細なロッド操作とラインテンションの管理が求められます。
半円カンナ(昔) 全円カンナ(現代)
長所 根掛かりに非常に強い フッキング率が非常に高い
短所 フッキング率が低く、バラしやすい 根掛かりしやすい

なぜ変わった?思想の進化が形状を変えた

では、なぜエギメーカーは根掛かりのリスクを冒してまで、全円カンナへと舵を切ったのでしょうか。

理由は大きく3つあります。

  1. 「ロスト回避」から「キャッチ率向上」への思想変化 昔は「いかにエギを失わずに攻めるか」が重視されました。しかし、アングラーの熱意と技術が向上するにつれ、「せっかく掛けた一杯を絶対にバラしたくない」という想いが強くなります。メーカーもそのニーズに応え、エギのロストという代償を払ってでも、確実な一杯を獲るという思想にシフトしたのです。
  2. アングラーの技術向上とタックルの進化 高感度なロッドやPEラインの普及により、アングラーは水中のエギの着底をより正確に感知できるようになりました。これにより、根掛かりをある程度コントロールすることが可能になり、全円カンナのデメリットを技術でカバーできるようになったのです。
  3. アオリイカの生態研究の進展 研究が進み、アオリイカがエギをどのように抱くのかが詳細に解明されてきました。その結果、あらゆる抱き方に対応できる全円カンナこそが、最も効率的であると結論付けられたのです。

まとめ:エギのカンナは、釣果を追い求めた進化の証

エギのカンナが半円から全円へと進化した歴史は、まさにエギングという釣りが成熟してきた証と言えます。

失うことのリスクよりも、手にする一杯の価値を追い求めた結果が、今のカンナの形なのです。

エギのカンナが半円から全円へと進化した歴史は、まさにエギングという釣りが成熟してきた証。釣太郎

 

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