都会ではいい物は1匹1000円で販売されているようです。
ホンカマスは刺身でも食べられ、高級烹料理店でも使われています。
今すさみ薬師もとで釣れている物はヤマトカマス。
ミズカマスと言われるもの。
「すさみ・串本ではヤマトカマス(ヤマトカマス:Sphyraena japonica)なのに、
田辺・芳養(はや)堤防ではアカカマス(Sphyraena pinguis)」という現象は、
生息環境の違いと黒潮の影響によって説明できます。
順に解説します。
🟦 ① 水温・潮流の違い
・すさみ・串本は黒潮の本流がすぐ沖を通るため、通年で水温が高く、潮の流れが速い暖流域です。
この環境を好むのが、泳ぎの速い ヤマトカマス です。
ヤマトカマスは青魚的な性格を持ち、群れで高速回遊し、やや沖寄りでベイト(小魚)を追います。
・一方、田辺湾(特に芳養湾)は地形的に黒潮の支流が弱まり、潮が淀みやすい湾内性の環境です。
水温もやや低く、潮通しが悪い。
こうした内湾・停滞気味の海域を好むのが アカカマス です。
アカカマスは底層や防波堤周辺を好み、ヤマトほど活発に回遊しません。
🟦 ② 餌(ベイト)と酸素量の違い
・ヤマトカマスはカタクチイワシ・キビナゴなど小型回遊魚を追う性質が強く、酸素が多く潮通しの良い場所を好みます。
→ そのため黒潮域のすさみ・串本に多い。
・アカカマスは、小エビ類や底層の小魚などを捕食し、やや濁り気味の水でも活動できます。
→ 内湾の田辺・芳養のように、プランクトンが多く酸素量が変動する湾内でも適応できる。
🟦 ③ 季節回遊の違い
・ヤマトカマスは夏~秋に黒潮とともに北上し、冬に南下します。
→ そのため**黒潮直撃の外洋沿岸(すさみ・串本)**では通年見られます。
・アカカマスは定着性が高く、田辺湾内などで通年生息する居付き個体群が存在します。
→ 一年中釣れることが多いのも特徴です。
🟦 ④ 地形・潮通しが生む「境界域」
・田辺湾の北端(芳養~元島あたり)は、「黒潮の勢力が弱まる境界線」に位置します。
→ つまり、ヤマトカマスとアカカマスの分布境界付近なのです。
・少し南の白浜崎や江津良ではヤマトカマス、芳養・新庄・内之浦ではアカカマスが優勢、というように、ほんの数キロで生態が分かれるほどデリケートなゾーンです。
🟦 ⑤ まとめ:なぜ田辺芳養ではアカカマスが多いのか?
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黒潮の本流が遠く、潮通しが弱い
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水温がやや低く、内湾特有の環境
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底層性の餌が豊富で、アカカマスが定着しやすい
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黒潮外縁の「境界域」に位置し、外洋種ヤマトは入りにくい
このため、田辺湾内=アカカマス優勢
すさみ・串本=ヤマトカマス優勢
という棲み分けになっています。


