釣り人や食通の間で「一度食べたら忘れられない」と言わしめる魚、クロムツ。
大きな瞳と黒銀に輝く魚体が特徴のこの魚は、深海に潜む極上の高級魚として知られています。
しかし、「ムツ」という魚と何が違うのか、どんな場所に生息し、いつが一番美味しいのか、
意外と知られていないことも多いのではないでしょうか。
今回は、この謎多き美味な魚「クロムツ」の魅力について、その特徴から生態、
そして最高の食べ方まで、余すところなくご紹介します。
クロムツとはどんな魚?ムツとの違い
まずは、クロムツの基本的な情報と、よく似た「ムツ」との見分け方について解説します。
■ 特徴
クロムツは、スズキ目ムツ科に属する魚です。
名前に「クロ」と付く通り、標準和名「ムツ」よりも体色が黒っぽいのが大きな特徴です。
水深200m〜500mの深海に生息しており、光の届きにくい環境に適応した大きな目、そして鋭い歯が並んだ大きな口を持っています。
この口からもわかるように、小魚やイカなどを捕食するどう猛な肉食魚です。
■ ムツとの違い
市場では「ムツ」と「クロムツ」が区別されずに流通することもありますが、厳密には別の魚です。
見分けるポイントは以下の通りです。
- 体色: 最も分かりやすい違いです。クロムツの方が明らかに黒っぽく、光沢が強いのに対し、ムツはやや赤みがかった銀色をしています。
- 体高: クロムツはずんぐりとして体高があるのに対し、ムツはよりスマートでスリムな体型をしています。
- 生息水深: 一般的に、クロムツの方がムツよりも深い場所に生息する傾向があります。
味の評価では、より脂の乗りが強く濃厚だとされるクロムツを好む人が多いようです。
クロムツの生態
クロムツは、岩礁帯や大陸棚の縁辺部といった、起伏に富んだ地形を好んで生息しています。
日中は海底付近でじっとしていますが、**夜になると餌を求めて中層まで浮上してくる
「日周鉛直移動」**という行動をとります。
そのため、クロムツ釣りは夜釣りがメインとなります。
クロムツの食味と旬 評価
■ 食味・評価
クロムツは「深海の黒いダイヤ」や「白身のトロ」と称されるほどの高級魚です。
上品な甘みを持つ白身に、きめ細やかな脂がびっしりと溶け込んでおり、
その味わいはノドグロ(アカムツ)と双璧をなすとも言われています。
熱を通しても身が硬く締まりすぎず、ふっくらとした食感を保つのも魅力。
皮と身の間の層には特に旨味が凝縮されています。
■ 旬
クロムツの旬は、**脂が最も乗ってくる秋から冬にかけて(11月〜2月頃)**とされています。
この時期のクロムツは、まさに全身トロ状態で、どんな料理にしても濃厚な旨味を堪能できます。
【絶品】クロムツのおすすめ調理法・レシピ
クロムツは刺身、焼き、煮付け、どんな料理にしても主役級の美味しさを発揮する万能魚です。
🍣 炙り刺身
新鮮なクロムツが手に入ったら、まずはこれ。
三枚におろして皮目を残し、バーナーなどで皮を軽く炙ります。
香ばしい皮の風味と、溶け出した皮下の脂が身に絡み、口の中でとろける食感はまさに絶品です。
🍲 煮付け
脂の乗ったクロムツは、甘辛い煮付けとの相性が抜群です。
煮汁に負けない魚本体の強い旨味と、煮汁を吸ったふわふわの身がたまりません。
煮崩れしにくいので、調理しやすいのも嬉しいポイントです。
🧂 塩焼き
シンプルな塩焼きは、クロムツ本来の味を最もダイレクトに楽しめます。
パリッと焼き上がった皮の香ばしさと、中から溢れ出すジューシーな脂の甘みは、まさに至福の味わいです。
この他にも、鍋物、西京焼き、ムニエル、しゃぶしゃぶなど、様々な料理でそのポテンシャルの高さを発揮してくれます。
まとめ
大きな目と黒い体を持つ深海のハンター、クロムツ。
その見た目からは想像もつかないほどの上品で濃厚な脂の旨味は、多くの食通を虜にしています。
もし釣りで幸運にも出会えたり、鮮魚店で見かけたりした際には、ぜひその「黒いダイヤ」の
輝くような美味しさを味わってみてください。


