「魚が性転換する」と聞くと驚く人も多いでしょう。
しかし海の中では珍しくない現象で、繁殖戦略のひとつとして広く知られています。
今回は「魚全体の何%が性転換するのか」「オスからメス、メスからオスの割合」
「代表的な魚種と釣り人視点での特徴」を詳しく解説します。
目次
<a name=”割合”>性転換魚は全体の何%?</a>
魚類は約35,000種が知られていますが、そのうち**性転換するのは2〜3%(700〜800種程度)**です。
決して多数派ではありませんが、特定のグループでは非常に一般的な戦略となっています。
性転換には2つの方向があります。
・オス → メス(雌性先熟:プロタンドリー)
・メス → オス(雄性先熟:プロトギニー)
割合を見ると、約8〜9割がメス→オス型で、1〜2割がオス→メス型となっています。
<a name=”オスからメス”>オスからメス(雌性先熟:プロタンドリー)の代表例</a>
オスからメスになる魚は少数派ですが、繁殖効率を高めるために進化しました。
クマノミ類
・小さい個体はオス。群れの中で最大の個体がメスに変わり、繁殖を担う。
・「ファインディング・ニモ」で有名になった例。
ハタ科の一部
・若い頃はオスで、大きくなるとメスに変わるケースがある。
・大型化したメスは一度に多くの卵を産めるため効率的。
<a name=”メスからオス”>メスからオス(雄性先熟:プロトギニー)の代表例</a>
もっとも多いのがメスからオスに変わるタイプです。
マダイ
・小型〜中型はメスが多く、大型はオスが多い。
・釣り人に人気のターゲット。大物が「オス」であることが多いのはこのため。
ハタ類(クエ・マハタなど)
・強い個体がオスに変わり、ハーレムを形成する。
・高級魚として人気だが、大型オスは漁獲圧で減りやすい。
ブダイ
・若いうちはメス。群れの中で順位が高い個体がオスになる。
・婚姻色の鮮やかさはオス特有。南紀でもよく釣れる。
ベラ類(キュウセンなど)
・防波堤で身近に釣れる魚。
・小型はメス、大型になるとオスに変わることが多い。
スズメダイ科(オヤビッチャなど)
・群れのバランスによって性が変わる。
・防波堤釣りでよく出会う外道魚。
イシダイ
・大型個体はオスが多いとされる。
・小型の縞模様「サンバソウ」はメスが多い。
<a name=”釣り人ポイント”>釣り人が知っておきたいポイント</a>
・釣れる大型はオスの可能性が高い(特にマダイ・ハタ・ブダイなど)。
・小型〜中型はメスが多く、釣り場のサイズ分布で性比を予測できる。
・漁業や釣りによって大型個体(オス)が減ると、性転換のバランスも崩れやすい。
・外道魚と思われるスズメダイやベラも、性転換という進化の知恵を持つ。
<a name=”まとめ”>まとめ</a>
・魚全体のうち、性転換するのは約2〜3%。
・方向別の割合は、メス→オスが8〜9割、オス→メスが1〜2割。
・代表的な魚種には、クマノミ、マダイ、ハタ、ブダイ、ベラなどがいる。
・釣り人視点では「大型=オス」というケースが多く、釣果や資源管理を考える上でも知識として役立つ。
魚の世界は、私たちの常識を超える「性の柔軟さ」で成り立っています。
釣りをする際に「この魚は性転換するのかも?」と想像するだけで、海への理解が深まり、
釣りの楽しみがさらに広がるでしょう。


