アジの干物は数回冷凍されているケースが多いことは広く知られています。
では、同じアジを使った「アジフライ」はどうでしょうか。
衣をつけて揚げる料理だからこそ見落としがちな冷凍回数や鮮度の実態を、
釣り人の視点と流通の裏側から徹底的に解説します。
アジフライ用アジの主な流通経路
アジフライに使われるアジは、大きく分けて以下の3ルートがあります。
・国内産アジを漁港で即冷凍→加工工場で衣付け
・輸入アジ(主にノルウェー・オランダ・中国沿岸)をブロック凍結→国内加工
・鮮魚として仕入れ→店舗で当日開き→衣付け→即冷凍
ほとんどの場合、一度は必ず冷凍されています。
さらに輸入品の場合は漁獲後の船上凍結→海外港→輸送→国内工場→衣付け冷凍と、2~3回冷凍されているケースも珍しくありません。
干物との冷凍回数の比較
干物の場合は「漁獲→冷凍保管→解凍加工→再冷凍」の流れが一般的です。
このため2~4回程度の冷凍履歴を持つものが多く、スーパーに並ぶ時点で一度も冷凍されていない「完全生干し」は極めて稀です。
アジフライの場合は、干物よりやや冷凍回数が少ない傾向がありますが、それでも平均1~3回は冷凍されていると考えられます。
冷凍回数が味に与える影響
冷凍を重ねることで起こる主な変化は以下の通りです。
・細胞膜の破壊によるドリップ流出
・ATP分解による旨味成分(イノシン酸)の減少
・衣付け後の再冷凍で衣と身の間に隙間が生じ、揚げた際に油吸収率が上昇
ただし、アジフライは揚げ調理による香ばしさと衣の油分があるため、干物や刺身ほど冷凍による味の劣化が目立ちにくいのが特徴です。
国産と輸入品の差
・国産品
漁獲後に船上凍結→国内加工が多く、冷凍回数は1~2回。
鮮度保持の面で有利。
・輸入品
漁獲後すぐに凍結→海外港→再凍結→国内加工で2~3回。
輸送距離が長く、鮮度に差が出やすい。
価格は輸入品が安く、外食チェーンや冷凍総菜の大半はこちらです。
釣り人が作る「一度も冷凍しないアジフライ」の価値
自分で釣ったアジを即日捌き、衣を付けてそのまま揚げる場合、冷凍回数ゼロ。
身質はふわふわで、脂の香りも際立ちます。
これは市販品ではほぼ味わえない釣り人ならではの特権です。
賢い選び方のポイント
・国産表示+生協や地場加工品を選ぶ
・「船上凍結」や「ワンフローズン」と記載があるものを優先
・衣の剥がれや霜付きが多いものは複数回冷凍のサイン
まとめ
アジフライは干物ほど冷凍回数が多くないものの、平均1~3回は冷凍されているのが現実です。
しかし、揚げ料理という調理特性のおかげで味の劣化は目立ちにくく、適切に加工されたものなら十分美味しく食べられます。
本当に鮮度を重視するなら、釣り人が作る「一度も冷凍しないアジフライ」が究極の選択肢です。


