太刀魚(タチウオ)を釣り上げてよく観察すると、他の魚のような「尾鰭(おびれ)」がありません。
長い体を持つのに尾鰭がないのは不思議ですよね。
「泳ぎにくいのでは?」
「なぜそんな進化をしたのか?」と疑問に思う釣り人も多いでしょう。
今回は、太刀魚に尾鰭がない理由と、その独特な泳ぎ方について解説します。
太刀魚はなぜ尾鰭がないのか?
太刀魚は、細長い体型を持つ「レプトゥルス科」に属する魚です。
この仲間は進化の過程で尾鰭をほとんど失い、代わりに背鰭(せびれ)が体の後方まで伸びている
という特徴を持っています。
・背鰭が長く、体を波打たせて推進力を得る
・尾鰭がなくても十分に泳ぐことができる
・細長い体をしならせることで、蛇のように進む
つまり、尾鰭がなくても背鰭と体全体の動きで水をかき分け、効率的に泳げる仕組みを備えているのです。
泳ぎ方の特徴
太刀魚は青物(ブリやサバ)のように速く泳ぐ魚ではありません。
彼らの泳ぎ方は「くねるように進む」スタイルです。
・体全体を左右にくねらせて前進
・普段は遊泳力を活かして中層〜表層を漂う
・獲物(小魚やイカ)に近づくと一気に鋭く突進
このスタイルは「待ち伏せ型の捕食魚」に適しており、獲物を見つけた瞬間の瞬発力に優れています。
尾鰭がないメリット
尾鰭を持たないことは一見デメリットのように見えますが、太刀魚にとっては有利に働く面もあります。
・体全体を使って細かく方向転換が可能
・夜行性でゆったりと漂う生活スタイルに合っている
・銀色に光る細長い体で、縦になって「刀」のように身を隠すことができる
この独特な体型は「狩りと身の隠しやすさ」を両立させるための進化だと言えるでしょう。
泳ぎにくくないのか?
確かに尾鰭を持つ魚と比べれば、長距離を高速で泳ぐのは不向きです。
しかし太刀魚は回遊魚というより沿岸に集まる捕食魚であり、スピードよりも奇襲力が重要です。
・速さよりも瞬発力を優先
・光沢のある体で小魚を混乱させ、素早く襲う
・深場から表層まで縦に移動するのが得意
結果として、尾鰭がなくても十分に生き抜ける泳ぎ方を確立しているのです。
まとめ
太刀魚に尾鰭がないのは「進化の結果」であり、決して泳ぎにくいからではありません。
むしろ背鰭と体全体を使った独特な泳ぎで、夜の海を自在に動き回り、獲物を仕留めるのに適応しています。
太刀魚を釣ったら、ぜひ尾鰭のない独特な体型を観察してみてください。
そこには海の中で生き抜くための知恵と進化の歴史が刻まれています。


