魚は大きく「完全回遊魚(マグロなど)」「定着性の強い根魚(カサゴなど)」に分けられますが、
この中間にあたる存在が 「半回遊魚」や「部分回遊魚」 です。
この記事では、その代表的な魚種と特徴、なぜ中途半端な回遊を行うのかを科学的・生態的に解説します。
釣りや漁業に役立つ知識としてぜひご覧ください。
1. 半回遊魚・部分回遊魚とは?
半回遊魚・部分回遊魚とは、完全に遠距離を回遊するわけでも、全く移動しないわけでもない魚を指します。
季節・水温・エサの量などに応じて「ある程度の範囲で移動」するのが特徴です。
👉 ポイント
・広大な海を横断するほどの体力や習性はない
・地域内での短〜中距離の回遊がメイン
・環境が安定すればその場に居着くこともある
2. 代表的な半回遊魚・部分回遊魚
ブリ(ハマチ〜メジロ)
・若魚のうちは沿岸部や湾内に留まりやすく、部分的な回遊にとどまる。
・成長すると本州沿岸を北上・南下する中距離回遊を行う。
サワラ
・瀬戸内海や近海に群れで現れるが、太平洋横断のような大規模回遊は行わない。
・産卵やエサのために地域内をシーズンごとに移動。
シーバス(スズキ)
・汽水域〜沿岸を中心に行動。
・産卵期や水温変化に応じて一定の回遊をするが、完全回遊魚のような長距離移動はしない。
クロダイ(チヌ)
・沿岸や汽水域に居着く個体が多いが、季節的に群れで移動する。
・「居着きチヌ」「回遊チヌ」として釣り人の間でも区別される。
マアジ
・沿岸で居着く個体(居着きアジ)と、群れで地域を移動する部分回遊型の個体が存在。
・瀬付きアジは脂が乗りやすく、釣りや食でも人気。
3. なぜ中途半端な回遊なのか?
① 体力・筋肉構造の違い
・マグロのような完全回遊魚は赤筋が発達し、酸素保持能力が高い。
・一方、半回遊魚は白身寄りで瞬発力型。長距離持久力に欠けるため、遠距離移動は不得意。
② 環境要因
・水温変化やエサ資源が豊富な地域では、わざわざ遠くへ移動する必要がない。
・沿岸や内湾といった限定エリアで十分に生活できる。
③ 生態戦略
・「居着き個体」と「移動する個体」が混在することで、環境変動があっても種全体の生存率が高まる。
・一部が残り、一部が動くことでリスク分散をしている。
4. まとめ
半回遊魚・部分回遊魚は、完全回遊魚ほどの持久力や長距離移動能力はありません。
しかし地域内で効率よくエサを得たり、産卵場所を選んで移動する「適応型の魚」だといえます。
釣りの視点では、居着き個体は脂がのって美味しい傾向があり、回遊個体は群れで釣れる可能性が高い という違いもあります。
この知識を活かせば、釣果アップにも役立ちます。


