海の生き物といえば、強力な「吸盤」を持つタコとイカ。
どちらも吸盤を使って獲物を捕らえたり、岩に張り付いたりすることで知られています。
しかし、その吸盤の仕組みや形状、そして吸引力には大きな違いがあります。
本記事では、タコとイカの吸盤の違いを科学的視点から分かりやすく解説し、どちらがより強力なのかを掘り下げます。
タコの吸盤の特徴
1. 形状
タコの吸盤は円形で、シンプルな「お椀型」。
触腕全体にびっしりと並び、種類によっては2000個以上もの吸盤を持つ個体もいます。
2. 仕組み
吸盤内部には筋肉が発達しており、吸盤内の圧力を調整して吸着。
さらに「リム」と呼ばれる縁の部分に多数の感覚細胞があり、触った対象の味や硬さを感じ取る能力もあります。
つまり、タコの吸盤は「手」と「舌」の両方の機能を持っているといえるのです。
3. 吸引力
タコの吸盤1つで約100g~200g程度の物体を持ち上げられるとされます。
大型のマダコやミズダコになると、1個の吸盤で数kgの力を発揮することも可能です。
そのため、タコは岩に強力に張り付き、漁師が剥がすのに苦労するほどの吸着力を誇ります。
イカの吸盤の特徴
1. 形状
イカの吸盤はタコとは異なり、**カップの縁に硬い「角質の歯(キチン質リング)」**がついているのが特徴です。
このリングはギザギザや鋸状になっており、まるで「小さなカギ爪」のように機能します。
2. 仕組み
吸盤そのものの吸着力はタコほど強力ではありませんが、リングの爪で獲物に食い込み、「吸いつく+引っかける」二重の構造で逃がさない仕組みになっています。
特にスルメイカやアオリイカは、この吸盤を駆使して小魚をしっかりホールドします。
3. 吸引力
単体の吸盤としての力はタコより弱いとされます。
しかし、リング状の歯でしっかり噛みつくため、魚のウロコや皮膚に深く食い込み、容易には外れません。
このためイカに捕まった小魚は、体表に吸盤痕を残すことが多いのです。
タコとイカの吸盤の違いまとめ
| 特徴 | タコ | イカ |
|---|---|---|
| 形状 | 円形・お椀型 | 硬いリング付きカップ型 |
| 数 | 数百~2000以上 | 種類による(少なめ) |
| 仕組み | 筋肉で吸着+感覚機能あり | 吸着+リングで引っかける |
| 吸引力 | 強い(1個で数kgも可能) | 単体は弱めだが爪で強力固定 |
| 用途 | 岩に張り付く・触覚として活用 | 獲物を逃がさないための武器 |
吸引力はどちらが強い?
「吸着力」だけで比較すれば、圧倒的にタコが強いです。
ミズダコの巨大な吸盤はダイバーでも剥がすのが困難なほどの力を持っています。
一方、イカは純粋な吸引力よりも「リングの爪による固定力」で獲物を捕らえるタイプ。
そのため「引っかけて逃がさない力」ではイカに軍配が上がります。
つまり、
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タコ=強力な吸盤で岩や獲物を抑える力が強い
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イカ=吸盤+リング爪で獲物を逃がさない工夫が進化している
と整理できます。
進化的な背景
タコとイカの吸盤の違いは、それぞれの生活スタイルの違いに起因します。
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タコは海底で岩陰に潜み、岩に張り付く必要があるため、吸盤の吸着力が進化。
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イカは回遊性で小魚を捕食するため、獲物を確実にホールドする「爪付き吸盤」が進化。
同じ「頭足類」でも、環境や行動パターンに応じてまったく異なる進化を遂げたのです。
まとめ
・タコの吸盤は「純粋な吸着力」が強く、感覚器官としての役割も持つ。
・イカの吸盤は「リング状の爪」が特徴で、獲物を逃さない仕組みを備える。
・吸引力だけならタコ、固定力ならイカが優れている。
・進化の背景には「岩に張り付く生活」と「小魚を捕らえる回遊性」の違いがある。
次に釣り上げたイカやタコを観察する機会があれば、ぜひ吸盤を比べてみてください。
その違いを知るだけで、より深く海の生物を楽しめるはずです。


