1. 回遊魚とは「海のアスリート」
アジ・サバ・イワシ・ブリ・マグロ・カツオ。
これらは「回遊魚」と呼ばれる魚で、海を大きく移動しながら生活しています。
釣り人にとっては身近なターゲットですが、実は回遊魚は他の魚と体の作りから違う、
まさに海のスプリンターです。
では、なぜ回遊魚はあれほど速く、遠くまで泳げるのでしょうか?
2. 回遊魚が速く泳げる理由
● 流線型の体
回遊魚の体は「流線型」で、抵抗を最小限に抑えています。
マグロやカツオの体をよく見ると、無駄のない紡錘形。
これは水の中で効率よく進むための形で、まさに水中の弾丸といえます。
● 尾びれ(尾鰭)の形
回遊魚の尾びれは「三日月型(フォーク型)」が多いのが特徴です。
この形は推進力に優れ、高速で泳ぎ続けるのに最適。
ブリやマグロの泳ぐ速さは時速60km以上にも達するとされます。
● 赤筋肉の多さ
魚の筋肉には「白筋(瞬発力型)」と「赤筋(持久力型)」があります。
回遊魚は赤筋の割合が非常に多く、長時間泳ぎ続けられるスタミナを備えています。
マグロの身が赤いのは、この赤筋肉が豊富だからです。
● エラの構造と酸素摂取能力
回遊魚は大量の酸素を必要とするため、エラの表面積が広く発達しています。
泳ぎながら口を開けて水を取り込み、効率よく酸素を取り込む「ラム換水」を行うのも特徴です。
この仕組みのおかげで、泳ぎを止めることなく酸素供給が可能になります。
3. 回遊魚と他の魚の違い
● 根魚との比較
・根魚(カサゴ、ハタ類など)は岩場に潜み、瞬発力で獲物を捕らえる。
・体はずんぐりしていて尾びれは丸型。スタミナは少ない。
👉 「短距離走型」
一方で回遊魚は
・開けた海で高速遊泳し、群れで獲物を追う。
・体は流線型で尾びれは三日月型。持久力抜群。
👉 「マラソンランナー型」
● 底魚との比較
ヒラメやカレイなどの底魚は「待ち伏せ型」で、泳ぐ速さは必要ない。
そのため平たい体で隠れることに特化。
これに対し、回遊魚は常に泳ぎ続ける必要があるため、逆に止まることが苦手なほど。
4. 回遊魚の驚異的な移動距離
・マグロ:一生で地球を何周もするほどの距離を回遊。
・サンマ:季節ごとに北海道から九州近海まで大移動。
・ブリ:日本海~太平洋を横断するほどの広範囲を回遊。
👉 これだけの距離を移動できるのは、速さとスタミナを両立する「体の設計」があるからです。
5. 釣り人目線でのポイント
・回遊魚は群れで回るため、「回ってきたとき」が勝負。
・泳ぐスピードが速いため、ルアーやエサの動きもスピード感を意識すると効果的。
・酸素を多く必要とするため、水温や潮流の変化に敏感。潮通しの良いポイントに群れる傾向がある。
まとめ
回遊魚は「流線型の体」「三日月型の尾びれ」「赤筋肉の多さ」「効率的な酸素摂取能力」を持つ、まさに海のスプリンター。
その体の仕組みがあるからこそ、速く、遠くまで泳ぐことができるのです。
釣り人にとって、回遊魚の特徴を理解することは釣果アップの大きなヒント。
次に南紀でブリやカツオ、アジの群れに出会ったときは、「海のアスリート」としてのすごさを思い出してみてください。


