黒潮大蛇行とは何だったのか
黒潮は日本沿岸を流れる世界有数の暖流です。
その黒潮が通常のコースを外れ、大きく蛇行して紀伊半島や東海地方から離れてしまう現象を「黒潮大蛇行」と呼びます。
2017年から2024年4月まで、実に7年9か月間も続いた黒潮大蛇行。
沿岸から栄養豊富な黒潮が遠ざかったことで、藻場の衰退や磯焼けが進み、魚の餌資源が激減しました。
では、この大蛇行が終息した今、海の環境はどれくらいで回復するのでしょうか?
藻場再生のスピード(AI試算)
藻場は魚の産卵場・稚魚の隠れ家・餌の供給源といった役割を果たす「海のゆりかご」です。
しかし一度失われた藻場は、すぐに元に戻るわけではありません。
AIシミュレーションでは以下のような時間軸が予測されます。
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短期(半年以内)
黒潮が沿岸を通ることで、栄養塩が再び供給され、海水中のプランクトン量が回復。
ただし、海藻の繁茂にはまだ時間が必要。 -
中期(1〜2年)
ホンダワラ類やアラメ、カジメといった大型海藻が徐々に回復し始める。
局所的に「藻場再生の兆し」が見られる。 -
長期(3〜5年)
海藻群落が安定化し、本格的な藻場の回復。
カサゴやメバル、アイゴ、グレ(メジナ)など藻場を利用する魚の個体数が増加。
つまり、完全な藻場再生には3〜5年ほどかかる可能性が高いと見られます。
魚はどれくらいで戻るのか?
魚の回帰スピードは、種類によって大きく異なります。
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回遊魚(ブリ・カンパチ・サバなど)
黒潮の流路が沿岸に戻った瞬間から、比較的すぐに回帰。
AI試算では 回遊頻度が30%前後アップ すると予測。
これは今シーズンからでも実感できるレベル。 -
藻場依存魚(グレ・アイゴ・イサギなど)
藻場の再生が進まなければ個体数は増えにくい。
目に見えて釣果アップを感じられるのは 1〜2年後 から。 -
甲殻類・底生魚(アオリイカ・カサゴなど)
藻場が部分的に回復すればすぐに恩恵を受けられるため、半年〜1年以内 に釣果回復の兆し。
特にアオリイカは海藻の葉に卵を産み付けるため、藻場の回復=産卵環境改善につながる。
AI試算では アオリイカ釣果が20〜25%増 と予測。
海の生態系が「完全に戻る」までの時間
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藻場の一次回復:半年〜1年
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部分的な魚群回帰:1〜2年
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藻場の安定化・生態系全体の回復:3〜5年
つまり、海の環境が「元通り」になるまでには数年単位のスパンが必要です。
ただし、回遊魚に関しては今シーズンからでも釣果アップが期待できます。
釣り人が知っておきたいポイント
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短期的恩恵は回遊魚から
ブリやカンパチなど青物は、今年からでも釣果が期待できる。 -
中期的に狙うならアオリイカ
藻場再生の恩恵をダイレクトに受けるため、今後数年は釣果が上向く可能性大。 -
長期的に楽しみたいならグレ・アイゴ
藻場が整った数年後に、磯釣りのポテンシャルが一気に復活。
まとめ
黒潮大蛇行の終息は、和歌山をはじめとする紀伊半島沿岸の釣り人にとって朗報です。
ただし、海の生態系は一夜にして元に戻るわけではなく、完全回復までには3〜5年の時間が必要です。
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回遊魚はすぐに戻る
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アオリイカは1年以内に回復傾向
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グレや藻場依存魚は2〜3年後が本番
これを踏まえて釣り計画を立てれば、今後数年間の海の変化を実感しながら楽しめるでしょう。


