① なぜアオリイカを〆るのか?
釣った直後のアオリイカをそのまま放置すると、
・暴れてストレスが蓄積する
・筋肉中に乳酸がたまり、身質が落ちる
・墨を吐き続け、鮮度低下を早める
このため、釣り上げたら すぐに〆て神経を止めることが鮮度維持の最大のポイント になります。
② アオリイカを絞めるポイント(神経の位置4か所)
アオリイカには魚のように脳と脊髄がはっきりと分かれていませんが、〆るべき神経は大きく4か所あります。
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目の間(脳神経)
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両目の間に小さな点状のくぼみがあり、ここをピックなどで刺すと即座に動きが止まります。
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いわゆる「急所」で、最初に必ず突くべき場所。
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胴体の軟甲付近(主神経束)
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胴体の中心にある「甲板状の軟甲(コウイカでいう骨のような部分)」のすぐ下に太い神経があります。
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ここを切断することで胴体の動きが止まり、筋肉の緊張が抑えられます。
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腕・足に伸びる神経
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足にまで神経が伸びているため、胴体の神経を断っても足が動くことがあります。
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足基部を軽く刺してやると、暴れが収まり、身質を損なわずに処理可能。
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外套膜(胴体の皮下神経)
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胴体の表皮直下にも細かい神経が張り巡らされています。
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これを断つことで皮の変色や硬直を抑えられるため、見た目の鮮度維持にも効果的。
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③ アオリイカを〆ると変色するのはなぜ?
アオリイカを絞めると、多くの場合「白く変色」したり、「斑点模様が浮き出る」ことがあります。
これは以下の生理現象によるものです。
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色素胞(クロマトフォア)の働き停止
イカの体表には赤・茶・黒などの色素胞があり、神経刺激で伸縮しています。
神経を絶たれると制御が効かなくなり、瞬時に縮み、体表が白っぽく変わる。 -
死後硬直の前兆
神経遮断後、筋肉がリラックスする過程で透明度が上がり、色が抜けていく。 -
ストレスの可視化
釣り上げ直後に強い刺激を受けると、一時的に体表がまだら模様になり、それが「変色」として見える。
つまり、変色は「鮮度が落ちた」のではなく、「神経が止まったサイン」 なのです。
④ 正しい処理で鮮度と旨味が変わる
アオリイカは〆方によって、味・食感・保存性が大きく変わります。
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即〆(目の間+神経) → 透明度が増し、甘みが強くなる
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放置(暴れさせる) → 乳酸増加で旨味低下、身が硬くなる
実際に市場で評価されるのは「即〆されて白く変色したもの」。
これは処理が早く、鮮度抜群の証拠だからです。
⑤ まとめ
・アオリイカの〆ポイントは「4か所」
(目の間・軟甲下・足基部・外套膜の神経)
・変色は「神経が止まった証拠」であり、劣化ではない
・即〆によって鮮度と旨味が大きく変わる
釣り人にとっては「神経を正しく止める」ことが、最高の味を引き出す最重要ポイントです。


