アオリイカ釣り(エギング)を始めた人が最初に直面する悩みのひとつ。
それは「どの色のエギを選べば釣れるのか?」という問題です。
釣具店にはピンク・オレンジ・グリーン・ブルー・ブラックなど、数十種類のエギが並び、さらに布の質感やテープの反射パターンも異なります。
そのため、多くの釣り人が「やっぱり色が一番大事なんじゃないか?」と考えがちです。
しかし、冷静に科学的な視点や実際の釣果データを見てみると、エギの色が釣果に与える影響はせいぜい10〜20%程度。
つまり、決定的な要因ではなく「最後の微調整要素」に過ぎないのです。
この記事では、エギの色が持つ実際の効果と、その限界を分かりやすく解説します。
1. アオリイカの視覚特性と色の認識力
まずは「アオリイカは本当に色を見分けられるのか?」という根本的な疑問から。
・アオリイカは人間と同じように大きく発達した眼を持ち、水中でも非常に高い視力を誇ります。
・ただし、色を識別する能力は人間のように多彩ではなく、主に「明暗のコントラスト」や「光の反射」に強く反応します。
・研究によれば、アオリイカは色そのものよりも「どれくらい目立つか(シルエットや光沢)」を重視している可能性が高いのです。
つまり「赤だから釣れる」「青だからダメ」という単純な話ではなく、状況に応じて見えやすさが変化するというのが実態です。
2. エギの色が与える効果は“せいぜい10〜20%”
アオリイカがエギを抱くまでには、いくつもの要因が絡み合っています。
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アクション(しゃくり方・フォール姿勢)
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レンジ(タナの深さ)
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潮流や水温、時間帯の活性
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釣り場の地形や水質
これらの要素が全体の80〜90%を占めており、色が占める割合は残りの10〜20%。
つまり、釣れるかどうかはほぼ動かし方と状況選びで決まるのです。
「今日はピンクで釣れた!」という成功体験は確かに存在しますが、それはたまたまアクションやレンジ、タイミングが合った結果であることが多いのです。
3. それでも色が重要視される理由
では、なぜ多くのエギンガーが色にこだわり続けるのでしょうか?
・釣具店の売り場で圧倒的な存在感を放ち、選ぶ楽しさを提供している。
・「この色で釣れた!」という成功体験は非常に強く記憶に残りやすい。
・自分なりの“信頼カラー”を持つことが精神的な安心感につながる。
つまり、エギの色は「釣れる・釣れないを左右する道具」というよりも、釣り人のモチベーションを高めるアイテムとして大きな役割を果たしているのです。
4. 実践で役立つエギの色選びの基準
「じゃあ色はどうでもいいのか?」というと、それも違います。
10〜20%の差であっても、状況によってはその小さな差が結果につながることもあるからです。
以下のような基準を持っておくと無駄がありません。
晴天・澄み潮
・ナチュラル系(ピンク・オレンジ・クリア)
・水中で自然に馴染みやすく、警戒心を与えにくい
曇天・濁り潮
・アピール系(赤・紫・金テープ)
・存在感を強調し、イカの注意を引きやすい
夜釣り・マズメ
・シルエット重視(黒・濃色系)
・逆光でのコントラストが強く出るため、視認されやすい
このように「3〜4色あれば十分」というのが実戦的な考え方です。
5. カラーローテーションの意味
釣り場でエギを交換しながら釣る“カラーローテーション”は、単なる気分転換ではありません。
・イカは学習能力が高く、同じ色や動きに慣れてしまう。
・少しずつ違うカラーを投入することで、違和感を和らげる効果がある。
・仲間と違う色を投げることで、釣果データを比較しやすくなる。
ただし、ローテーションの真の目的は「エギを見せ続けること」であり、色はその補助的役割と考えた方が現実的です。
6. ベテランエギンガーの共通点
長年釣果を出しているベテランに共通しているのは「色ではなく動きやポイントを重視している」という点です。
・どのエギを使っても、イカがいるレンジに通せば釣ってしまう。
・むしろ「この色だから釣れる」と言い切らない。
・状況によってはボロボロのエギでも平然と釣ってくる。
これは「釣果の本質は色ではない」という証拠でもあります。
7. まとめ:色は10〜20%、残りは技術と環境要因
ここまでの内容を整理すると…
・エギの色が釣果に与える影響は10〜20%程度。
・大きく左右するのはアクション・レンジ・時間帯。
・色は「信頼感」や「最後の微調整要素」として活用する。
・実釣では基本カラーを3〜4色揃えれば十分。
エギングで本当に差がつくのは、色ではなく、動かし方と状況判断力です。


