あなたのエギケース、お守りだらけになっていませんか?
夜明け前の薄暗い漁港。 。
隣のエギンガーがアオリイカを釣り上げました。 。
自分にはアタリすらない。 。 「何色を使っているんだろう…」。 。
焦ってエギをピンクからオレンジへ、オレンジからブルーへ。 。 気づけば足元は、出番のなかったエギだらけ…。 。
エギング愛好家なら、誰もが一度は経験する「カラー沼」の無限ループです。 。
しかし、もし「エギの色が釣果全体に与える影響は、せいぜい10〜20%程度」だとしたら、あなたはどうしますか?。 。
これは多くのエギングエキスパートが経験則として語る、半ば公然の事実です。 。 もちろん、色が全く無関係だというわけではありません。 。
しかし、私たちは釣れない理由を、あまりにも「色のせい」にし過ぎているのかもしれないのです。 。
この記事では、なぜエギの色の影響が限定的だと言われるのか、その科学的な根拠に触れると
ともに、色選びよりもっと釣果を左右する「本当に大切な5つの基本要素」を徹底的に解説します。 。
もうあなたは、根拠のない色選びに一喜一憂することなく、自信を持ってアオリイカにアプローチできるようになるはずです。 。
なぜエギの色の影響は「10〜20%」と言われるのか?
そもそも、アオリイカは私たちが認識しているような「色」の世界を見ているのでしょうか。 。
最新の研究では「アオリイカは色を識別できない(色盲である)」という説が非常に有力です。 。
彼らの目には、色の違いを認識するための「錐体細胞」が1種類しかなく、人間(3種類)や鳥(4種類)のように多彩な色を見分けることはできません。 。
では、彼らはエギの何を認識しているのでしょうか。 。
それは、**「明暗のコントラスト(シルエット)」**です。 。
- 明るい背景(日中の空など)に対して、エギがどう見えるか
- 暗い背景(夜の海や海底など)に対して、エギがどう見えるか
アオリイカは、周囲の明るさと比較して「エギがどれだけ目立つか(あるいは、どれだけ馴染むか)」を判断していると考えられています。 。
つまり、私たちが「ピンク色」や「アジカラー」と認識しているものを、イカは「ぼんやり明るい塊」や「周りに溶け込む暗い塊」として捉えている可能性が高いのです。 。
これが、エギの「色」そのものの影響が限定的とされる最大の理由です。 。
釣果の8割を決める!色選びより大切な5つの要素
では、釣果を左右する残りの80〜90%は何なのでしょうか。 。
それは、もっと基本的で、もっと重要な以下の5つの要素に集約されます。 。
① エギの「サイズ」と「沈下速度(タイプ)」
その日、その場所でアオリイカが捕食しているベイト(小魚やエビ)の大きさにエギのサイズを合わせる「マッチ・ザ・ベイト」は、基本中の基本です。 。
秋のシーズン初期で小さなイカが多いなら2.5号、春の大型狙いなら3.5号や4.0号がセオリーとなります。 。
また、水深や潮の流れに合わせた「沈下速度」の選択は、色選びの何倍も重要です。 。
- シャロー/スーパーシャロー:浅場や、藻の上をゆっくり攻めたい時に
- ノーマル:あらゆる状況に対応できる基本タイプ
- ディープ:深場や、潮が速い状況で底をしっかり取りたい時に
イカがいるレンジ(層)を、適切なスピードで攻略することが釣果への一番の近道です。 。
② エギの「動き(ダートとフォール)」
エギングは「エギを操作してイカを誘う釣り」です。 。
ロッドをシャクることで生まれる、エギが左右に跳ねるような「ダートアクション」でイカの興味
を引き、その後の「フォール(沈下)」で抱かせるのが一連の流れ。 。
釣果の差が最も現れるのが、この操作技術です。 。
キレのあるダートが出せているか。 。
そして何より、イカがエギを抱く9割以上のタイミングであるフォール中に、ラインを張りすぎて不自然な姿勢にさせていないか。 。
安定した姿勢で、ゆっくりと沈んでいく「喰わせの間」を演出できるかどうかが、腕の見せ所です。 。
③ 「レンジ(遊泳層)」の攻略
アオリイカは常に海底にいるわけではありません。 。
潮の状況やベイトの位置によって、底層、中層、時には表層近くまで浮いていることもあります。 。
エギをキャストしたら、まずはしっかりと着底させ(ボトムを取る)、そこから「今、自分のエギ
が水深何メートルにあるのか」を常に意識することが重要です。 。
まずは底から丁寧に探り、アタリがなければ中層、表層と、イカがいるレンジを根気強く見つけ出す作業が、釣果を大きく左右します。 。
④ 「タイミング(時合)」を読む
どんなに優れたエギンガーでも、魚やイカの活性が低い時間帯に釣果を出すのは至難の業です。 。
一般的に、プランクトンやベイトが活発に動く「朝マズメ」「夕マズメ」が最高の時合とされています。 。
また、潮の動きも重要です。 。 潮が止まっている時間帯よりも、流れが効いている「満潮・干潮の前後」の方が、イカの捕食スイッチが入りやすくなります。 。
釣れない時間帯は思い切って休憩し、時合に集中して竿を出すことも戦略の一つです。 。
⑤ 「場所(ポイント)」の選定
最後にして、最も根本的な要素です。 。
「そもそも、そこにアオリイカがいるのか」という問題。 。
アオリイカは、身を隠すための「藻場」や、潮がよく通る「岬の先端」「堤防の外側」などを好みます。 。
地形や潮の流れを読み、イカが回遊してきたり、居着いていたりする可能性の高い場所を選ぶことが、大前提となります。 。
では、エギの色をどう考え、どう使うべきか?
ここまで読むと、「じゃあ、エギの色は何でもいいのか」と思われるかもしれません。 。 答えは「No」です。 。
影響が「ゼロ」ではない以上、この10〜20%を味方につけることで、ライバルに差をつけることができます。 。
考えるべきは「色」そのものではなく、**「状況に応じたシルエットの使い分け」**です。 。
基本の考え方は2つです。 。
- アピール重視(目立たせる)
- 状況:朝夕マズメ、夜、濁り潮、深場など、光量が少ない時
- 有効なカラー/下地:
- ピンク、オレンジ(膨張色):シルエットを大きく見せる
- 赤テープ、金テープ:わずかな光を反射し、存在感を出す
- 夜光(グロー):自ら発光してアピールする
- ナチュラル(馴染ませる)
- 状況:日中、澄み潮、浅場など、光量が多い時
- 有効なカラー/下地:
- アジ、イワシ(ベイトカラー):背景に溶け込み、スレたイカに警戒心を与えない
- ブルー、グリーン系:水の透明度が高い時に効果的
- 銀テープ、マーブルテープ:自然な光の反射でリアルなベイトを演出
- ケイムラ(紫外線発光):人間の目には見えない紫外線でぼんやりアピール
まずは、アピール系のパイロットカラー(例えばオレンジやピンク)で広範囲を探り、反応がなければナチュラル系に切り替える、といったローテーションが効果的です。 。
まとめ:カラー沼から脱出し、釣果の本質を見極めよう
エギの色が釣果に与える影響は、私たちが思っているよりもずっと限定的です。 。
釣れない理由を色のせいにして、貴重な時合をルアーチェンジだけで浪費するのは非常にもったいないことです。 。
釣果の8割以上は、 ① サイズと沈下速度 ② エギの動かし方 ③ レンジの攻略 ④ 時合 ⑤ 場所
といった、より基本的な要素によって決まります。 。
これからは、エギケースの色とりどりのルアーに惑わされることなく、なぜ今そのサイズなのか、
どう動かして、どの層を探るのか、という釣りの本質に目を向けてみましょう。 。
そうすれば、あなたのアオリイカ釣果は、きっと次のステージに進むはずです。


