この違いは、浸透圧と鮮度保持能力という2つの科学的な理由に基づいています。
旨味と鮮度が格段にアップする秘密
1. 浸透圧による細胞破壊を防ぐ
真水氷で魚を冷やすと、氷が溶けてできる真水と魚の体液の間に浸透圧の差が生じます。
魚の体液は海水と同じく塩分を含んでいるため、細胞内の水分濃度が高く、細胞外の真水が低い状態になります。
このため、浸透圧の働きで真水が細胞内に流入し、細胞が破裂してしまいます。
細胞が破壊されると、魚の旨味成分であるアミノ酸などが流出し、食感も悪くなります。
海水氷は溶けても海水と同じ塩分濃度を保つため、浸透圧の差がほとんどなく、細胞の破壊を防ぐことができます。
これにより、魚本来の旨味やプリプリとした食感を保つことができるのです。
2. 低温での鮮度保持能力が高い
海水氷は真水氷に比べて融点が低く、-1.8℃前後で溶け始めます。
これは、0℃で溶ける真水氷よりも低い温度で魚を冷やせることを意味します。
この**「より低い温度」**が、魚の鮮度を損なう原因となる細菌の繁殖を強力に抑制し、鮮度劣化を遅らせる効果をもたらします。
これらの理由から、海水氷で冷やした魚は、味覚において真水氷で冷やした魚とはっきりと差が出るのです。
海水氷の人気の高さと今後の展望
海水氷は、その確かな効果から、プロの漁師だけでなく、一般の釣り愛好家の間でも人気が高まっています。
特に、刺身や寿司ネタなど、鮮度が美味しさに直結する魚種を釣る際には必須アイテムとなりつつあります。
今後は、漁業や食品流通だけでなく、キャンプやアウトドアでの食品保存など、より幅広いシーンでの活用が期待されています。
海水氷の技術は、私たちの食生活をより豊かにする可能性を秘めているのです。


