海水氷とは、その名の通り、海水を凍らせて作られた氷です。
一般的な淡水氷と比べて、融点(氷が溶け始める温度)が低く、塩分が含まれているため、独特の特性を持っています。
釣り人が海水氷を好む理由
1. 鮮度保持力の高さ
海水氷が魚の鮮度保持に優れている最大の理由は、その融点にあります。
淡水氷の融点が約0℃であるのに対し、海水氷の融点は-1.8℃程度と低いです。
この低い温度が、魚の身をより早く、均一に冷やし、鮮度劣化の主な原因である細菌の繁殖や酵素反応を効果的に抑制します。
また、魚体に直接触れることで、表面だけでなく内部まで素早く冷却できる点も重要です。
2. 魚体へのダメージ軽減
淡水氷は溶ける際に真水となり、魚の身が水に触れることで、浸透圧によって水分が入り込み、身が水っぽくなることがあります。
しかし、海水氷は溶けても塩分濃度が高いままなので、魚の細胞膜と浸透圧のバランスが保たれやすく、身の水っぽさを防ぎます。
これにより、魚本来の旨味や食感を損なうことなく持ち帰ることができ、調理した際の美味しさに差が出ます。
3. 保冷効果の持続性
海水は淡水よりも比熱(物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量)が低いため、凍らせるのに多くの熱量を奪う必要があります。
そのため、一度凍った海水氷は、淡水氷よりも溶けにくいという特性があります。
釣り上げた魚を長時間にわたって最適な温度で保冷できるため、特に長時間の釣りや、暑い時期の釣りで威力を発揮します。

