はじめに
南紀(和歌山県南部)で長年釣りを楽しんでいる方の多くが、ある変化に気づいています。
それは、**「ガシラ(カサゴ)が減った一方で、アカハタの釣果が増えている」**という現象です。
この変化は偶然なのか?それとも地球温暖化など環境変動によるものなのか?
この記事では、南紀地方の釣魚の分布変化と、その背後にある気候変動や海水温上昇の影響について、わかりやすく解説します。
そもそも「ガシラ」と「アカハタ」はどう違う?
● ガシラ(カサゴ)とは
・正式名称:カサゴ
・分類:フサカサゴ科
・特徴:岩礁帯や堤防周辺の根に生息する根魚で、冬場でも釣れる
・水温適応:やや低めの水温を好む(15〜20℃程度)
● アカハタとは
・分類:ハタ科アカハタ属
・特徴:沖磯や水深のある岩礁帯に生息し、体色が鮮やかな赤色
・水温適応:やや高めの水温を好む(20〜26℃程度)
つまり、アカハタは暖かい海域を好む魚であり、南方系の魚といえます。
南紀の海水温は本当に上がっているのか?
近年、和歌山県沖の黒潮本流が近づく年が増え、南紀の表層水温は上昇傾向にあります。
気象庁のデータによると、過去30年で平均海水温は約1℃〜1.5℃上昇しています。
特に夏から秋にかけては、27℃を超える高水温が継続する年も増加。
これは、もともと温帯性のガシラにとってやや過酷な環境になっている可能性があります。
アカハタの分布拡大は「温暖化の証拠」か?
アカハタは元々、奄美・沖縄や九州南部で多く見られた魚種です。
しかし近年では、和歌山県全域の沿岸で釣果報告が増加しています。
この現象は、次の2つの要因が重なっていると考えられます:
① 海水温上昇
・南方系魚種(アカハタ・シロブチハタ・キジハタなど)が北上しやすくなる
・逆に温帯魚(カサゴ・メバルなど)は南限を超えると生息数が減少する
② 環境の変化(藻場や餌環境の変動)
・アカハタは小魚や甲殻類を食べるため、磯焼けや藻場の消失も影響
・カサゴの産卵場が減った可能性も否定できない
釣果データにも顕著な差が
● 過去と現在の比較(例)
| 年代 | ガシラの釣果 | アカハタの釣果 |
|---|---|---|
| 1990年代 | 多い(特に冬場) | 非常に少ない |
| 2020年代 | 減少傾向 | 増加傾向(夏〜秋にかけて顕著) |
釣具店や釣果情報サイトでも、夏〜秋にかけてアカハタが“堤防”で釣れる例が増加しており、これは過去には考えられなかった状況です。
地元釣り人の声
「昔はガシラといえばどこでも釣れたけど、最近はアカハタの方がよく釣れる」
「水深の浅い磯場で、アカハタがルアーに反応してくることが増えた」
こうした声が増えており、釣り人自身が最前線の生態系の変化を感じ取っていることがわかります。
まとめ:温暖化の影響は「魚の顔ぶれ」からも見える!
南紀地方でガシラが減り、アカハタが増えてきたという現象は、地球温暖化や黒潮の影響による海水温上昇が大きな要因と考えられます。
釣りの対象魚が変わってきている今、タックルや釣り方の工夫も求められる時代に突入しています。
一方で、変化をチャンスととらえ、アカハタ狙いの釣りに切り替える釣り人も増えており、南紀の新たなターゲットフィッシュとして注目を集めています。
今後も海の変化を注視しながら、自然との付き合い方を釣り人自身が考えていくことが重要です。


