2025年7月14日月曜日午前7時半撮影写真添付
◆ はじめに:台風がないのに海水が溢れる不思議
「今日は晴れているのに、港が冠水していた」
「台風は来ていないのに、堤防が越水した」
こんな光景を見たことはありませんか?
それ、台風が来なくても発生する“高潮(たかしお)”の仕業かもしれません。
多くの人が「高潮=台風のときだけ」と考えがちですが、実は台風が来なくても高潮は十分に起こりえます。
この記事では、高潮が起きるメカニズムや条件、対策までをわかりやすく解説します。
◆ 高潮とは?基本の確認
まずは用語の整理から。
● 高潮とは?
高潮とは、気圧や風の影響で海面が異常に上昇する現象のこと。
港湾や河口などの低地では、高潮によって堤防を越えたり、浸水したりする被害が起こります。
◆ 台風がなくても高潮が起きる主な原因4つ
① 気圧の低下
気圧が低いと、大気による「押さえつける力」が弱まり、海面が相対的に高くなります。
この現象は「気圧傾度効果(吸い上げ効果)」と呼ばれ、
1ヘクトパスカル(hPa)気圧が下がると、海面は約1cm上昇すると言われています。
➡ 台風が遠くにあっても、周辺の気圧低下で高潮が発生する可能性があるのです。
② 強風や長時間吹く風
風が一定方向に強く吹き続けると、海水が沿岸に吹き寄せられます(吹き寄せ効果)。
この結果、海岸近くの水位が高まり、高潮が発生することがあります。
➡ 特に南寄りの風が長時間吹き続ける夏の高気圧型の気象条件でも、高潮のリスクがあります。
③ 潮位(大潮・満潮)との重なり
高潮は自然の潮位(干満)と重なることで被害を拡大します。
特に「大潮+満潮+気圧低下+風」が重なると、台風がなくても深刻な越水・浸水被害につながります。
➡ つまり、天気は穏やかでも潮見表上のタイミングで高潮が起こることがあるということです。
④ 遠くの台風の間接的影響
たとえ日本から数百km離れていても、台風の外側の風やうねりが届くことがあります。
特に黒潮の蛇行エリアでは、**海面に長距離的な変動(リモートセットアップ)**が発生し、
潮位が異常に高くなることがあります。
➡ 「台風は沖縄にいるのに、関東で高潮警報」というケースも現実にあります。
◆ 実際にあった「台風なしの高潮」事例
● 2018年10月 関西地方
・台風は既に通過していたが、満潮と南風、気圧低下が重なり大阪湾の海面が急上昇
・堤防の一部が越水し、漁港が冠水
● 2023年6月 熊本天草
・台風は存在しなかったが、梅雨前線+南西風+大潮が重なり、港湾部で高潮被害が発生
◆ 釣り人・漁業関係者は要注意!高潮リスクが高いタイミングとは?
| 状況 | リスク度 |
|---|---|
| 大潮+満潮時間帯 | 高い |
| 南風が1日以上吹く時 | 高い |
| 遠くの台風接近時 | 中~高 |
| 低気圧が近づいている時 | 中程度 |
| 新月・満月の前後 | 要注意 |
➡ これらが2つ以上重なるときは、高潮への警戒が必要です。
◆ 高潮対策としてできること
● 一般の人ができる対策
・高潮警報や高潮注意報をチェックする(気象庁、防災アプリ)
・潮見表で満潮の時刻を確認する
・海沿いの駐車や釣りは控える(堤防が冠水すると、車が流される危険も)
● 釣り人・海岸利用者向けの注意点
・夜釣り中に潮位が急上昇することがあるため、タックルボックスの位置や避難経路を意識
・特に大潮の夜は「いつの間にか足元まで海水が来ている」ケースが多い
◆ まとめ:台風がなくても高潮は油断禁物
✅ 高潮は「台風=直接的な原因」だけでなく、風・気圧・潮位・遠くの台風などの複合要因で起きます。
✅ たとえ晴れていても、満潮+風+低気圧の条件が重なれば高潮は十分発生可能。
✅ 特に釣り人や海辺で過ごす人は、潮位の変化と風向き、気圧の動きに注目すべきです。



