釣りは楽しいレジャーですが、その後の「食べる」という工程まで含めてこそ、釣りの本当の醍醐味です。
しかし、せっかく釣った魚を食べたら「後悔した……」という人は意外と多いのです。
それは、魚そのものが悪いのではなく、「食べる際に知らなかった危険な部位」や「下処理の知識不足」が原因であることが大半です。
この記事では、特に初心者が注意すべき**「魚のヤバい部位」や、後悔しないための処理方法・食べ方**について詳しく解説します。
【目次】
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なぜ魚を食べて後悔するのか?
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初心者が注意すべき魚の“ヤバい部位”5選
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食べてもいい部位・NGな部位の見分け方
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安全に美味しく食べるための下処理のコツ
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まとめ:魚は部位を知れば怖くない!
1.なぜ魚を食べて後悔するのか?
「臭い」「苦い」「舌がしびれる」「お腹を壊した」……。
こんな体験をした釣り初心者の声をよく聞きます。
こうした後悔の多くは、以下の原因によって起こります。
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知らずに毒のある部位を食べた
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内臓を取りきれておらず苦味が残った
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血抜きや冷却が不十分で生臭さが残った
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火を通しすぎてパサついた身になった
実は魚には「食べてはいけない部位」が多く存在します。
次の章では、特に危険性が高く、初心者がやってしまいがちな部位を紹介します。
2.初心者が知らない「魚のヤバい部位」5選
① 胆のう(たんのう):苦味の元凶
内臓の中でも要注意なのが「胆のう」。
肝臓のすぐ下にある小さな緑色の袋で、これが破れると強烈な苦味が身全体に広がります。
特にアジ・イサキ・クロダイなどをさばく際に誤ってつぶしてしまいがちです。
苦くなった魚は、焼いても煮てもどうにもならず、**まさに「後悔の味」**です。
② 内臓の膜(腸膜):異臭や食中毒の原因にも
内臓を取ったつもりでも、黒い膜や血の塊が残っていることがあります。
これを放置すると、臭いが強くなり、食欲をそぐ原因に。
また夏場などはここに雑菌が繁殖しやすく、食中毒のリスクも。
③ 血合い(ちあい):鮮度が落ちると臭いの温床
魚の背中側や腹側にある赤黒い部分が血合い。
新鮮ならうま味が詰まった部位ですが、時間が経つと急激に酸化し、生臭さの原因になります。
とくに青魚(サバ、アジ、イワシ)に多く、夏場は要注意。
④ 皮とウロコの間:雑菌とヌメリの温床
皮つきで焼く魚(カサゴ、メバルなど)はそのままでも美味ですが、ヌメリやウロコをしっかり取らないと臭みが残ることがあります。
また、ウロコを飲み込んでしまうと口当たりが悪く、胃腸に負担をかける可能性も。
⑤ 背びれ・胸びれ・トゲの付け根:毒や硬化した骨に注意
フグ、アイゴ、ゴンズイなどの魚には毒を持つヒレがあります。
また、カサゴやハオコゼはヒレの棘(とげ)で刺されると激痛を伴います。
食べる際にはヒレを切り落とし、誤って飲み込まないよう調理段階で除去しておきましょう。
3.食べてもいい部位・NGな部位の見分け方
以下に、一般的な魚ごとの「食べてもOK」「避けた方がいい」部位をリスト化しました。
| 魚の種類 | 食べられる部位 | 避けるべき部位 |
|---|---|---|
| アジ | 身・皮・骨せんべい | 胆のう、血合いの酸化部分 |
| サバ | 身・皮(炙り) | 血合い、内臓 |
| カサゴ | 身・皮・骨 | ヒレのトゲ、内臓膜 |
| アイゴ | 身のみ | 背びれ(毒)、腸 |
| フグ類 | 身・白子(免許必要) | 肝・皮・卵巣(猛毒) |
※フグ類の調理は絶対にフグ調理免許保有者のみが行うこと!
4.安全に美味しく食べるための下処理のコツ
■① 釣った直後の血抜きと冷却がすべて
・ナイフでエラを切ってすぐに血抜き
・真水氷ではなく「海水氷」で冷やすと鮮度が維持される
・クーラー内で魚を重ねないのもポイント
■② 胆のうを破らないコツ
・肝臓の下に注意して包丁を入れる
・不安な場合は内臓をスプーンや指で優しくかき出す方法も有効
■③ 内臓膜・血合いはしっかり洗浄
・中骨周辺の膜は歯ブラシや竹串で丁寧に取る
・キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取ることで臭い激減
■④ 鮮度が落ちた魚は「加熱調理」が基本
・生臭さが心配な場合は唐揚げ、煮付け、塩焼きに
・2日以上経過した青魚の刺身は避けた方が無難
5.まとめ|魚の部位を知れば、もっと釣って食べたくなる!
魚は新鮮なうちに適切な処理をすれば、驚くほど美味しい天然のごちそうになります。
しかし部位によっては「危険」や「不快感」が潜んでいることを知っておきましょう。
特に初心者の方は、今回紹介した「ヤバい部位5選」を頭に入れておくだけで、後悔しない魚食体験がグッと増えるはずです。
次の釣行では「食べること」まで楽しめるように、釣った後の扱いにもぜひ気を配ってみてください!


